施工管理技士の転職理由で多いものとは?転職後に選ばれやすい仕事は?

公開日:2022/08/15   最終更新日:2022/08/17


施工管理士は所属する会社によって仕事内容がさまざまなため、就職前のイメージとのズレが大きく転職を考える方もいるようです。本記事では、施工管理技士が転職する際に多い理由と転職後に選ばれやすい仕事について解説します。施工管理技士の資格を持っているけど、転職するか迷っているという方はぜひ参考にしてください。

施工管理技士の転職率とは

施工管理技士の転職率は、1級の離職率が約5%、2級の離職率が約10%といわれています。建築業界はほかの業界と比べて、転職率が高い傾向にあり、建築業界全体の離職率は、約30%から50%です。建築業界全体の離職率に比べると、施工管理技士の離職率は低いといえます。

どんな仕事であったとしても、就職してみないと分からない部分はあるため、就職後に離職を考える可能性は誰にでも存在しています。施工管理技士には、転職の選択肢が豊富にあるので、就職した後で自分に向いていないと感じたら無理をせず転職を検討してみましょう。

施工管理技士の転職でもっとも多い理由

施工管理技士になった後で転職している方は、どんな理由で転職しているのでしょうか?ここでは、施工管理技士の転職に多い理由を解説します。多くの方がやめる原因となっている理由を知らずに施工管理技士になってしまうと、苦労して就職した後で後悔することになるかもしれません。施工管理技士を目指しているという方は、ぜひ参考にしてください。

労働条件と労働環境

施工管理技士が転職を考える要因として多いのが、労働条件と労働環境の悪さです。建築業界は現在人手不足の傾向があり、労働者1人ひとりの仕事量が多くなっています。とくに施工管理技士は、デスクワークだけでなく現場での作業も任せられることが多く、残業時間が多くなってしまいがちです。残業時間が多いことや通勤時間が長いこと、休みが全然取れないことなどの労働条件・労働環境への不満から転職を考える方が多いといわれています。

労働条件や労働環境への不満は、会社に相談することで改善されることもあるため、現状不満を抱えているという方は、退職を伝える前に労働条件の改善を掛け合ってみましょう。

給与

給与に対する不満も転職理由として多く挙げられます。給与に対する不満は、単純に給与が少なすぎるケースや仕事量に対して給与が見合っていないといったケースが存在します。給与は労働条件などと違い、会社に掛け合っても改善される可能性が低いため、転職することで給与を上げようと考え転職に至る方が多いです。なお、正社員の施工管理技士の平均年収は、約400万円から500万円ほどといわれています。建築業界の平均年収も400万円から500万円のため、建築業界の中でも平均となっています。

仕事内容

施工管理技士の中には、仕事内容に対する不満から転職しようと考える方もいるようです。同じ施工管理技士だったとしても、就職する会社によって任せてもらえる仕事は違っているため、やりたい仕事が決まっている方や施工管理技士の仕事のイメージがあるという方は、仕事内容を確認してから就職するようにしましょう。

自分の仕事への評価

会社のために頑張って働いているのに、その頑張りが正しく評価をされなかったら辛いと感じる方が多いのではないでしょうか?自分の仕事が正しく評価されないことは施工管理技士の転職理由でも多いです。積極的にキャリアアップをしていきたいと考えている場合は、出世を目指せるような会社を選んで就職するようにしましょう。なお、仕事への評価に不満を持ち転職を行う場合、転職を行っても改善されるとは限らないため、注意して転職する必要があります。

職場の人間関係

職場に相性が悪い人がいるというケースや嫌な態度の上司がいるケースの転職は、施工管理技士でもよくあります。いくら労働条件が良かったとしても、相性が悪い人と一緒に毎日仕事をしなければいけないとなると、とても大変です。仕事に行くことを考えるだけで辛くなってしまいます。職場の人間関係の問題ばかりは、実際に働いてみないと分かりません。

相性の悪い人間と長く働くとメンタルを壊してしまう可能性が高いため、実際に働いてみて職場の人間関係の相性が悪いと感じたら、無理をせずに転職を考えましょう。なお、過去に人間関係で大きなトラブルを起こしている会社の場合、口コミサイトなどに情報が掲載されている可能性や、転職エージェントが情報を持っている可能性があるので人間関係が不安な方は、転職前に一度確認してみましょう。

家庭の都合

家庭の都合によって転職を行うという方も少なくありません。家庭の都合による転職は、家族の病気などの家庭環境の変化により、これまでと同じように仕事を続けることができなくなり、転職に至るという流れが多いようです。建築業界は人手不足の状態にあるため、施工管理技士も全体的に残業が多い傾向にあります。親が高齢になり介護が必要になった場合、残業をしながら介護を行うことはできないため、介護と両立可能な仕事へ転職する方が多いです。

会社の都合

施工管理技士には、会社の都合によって転職するというケースも少なくありません。会社の都合による転職とは、会社の経営難によるリストラや会社の倒産による失業などのことです。建築業界は現在全体的に好景気な傾向にあるため、会社の都合による転職はあまり多くありませんが、やはり中には経営がうまくいかず会社都合による転職を求められるケースもあるようです。なお、会社都合による転職の場合自分に一切の非がないため、転職活動でも不利になることはありません。

施工管理技士が選ぶ転職先は?

施工管理技士は国家資格のため、転職先の選択肢が豊富にあります。ここでは施工管理技士が転職先として選べる選択肢について解説します。転職先で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

不動産業界

施工管理技士からの転職では、やはりこれまで通り不動産業界に再び就職するという方が多いです。まったく別の業界へ転職してしまうと、これまでの知識がまったく活かせない可能性がありますが、不動産業界への転職であればこれまでに培った知識を活かせる可能性が高いです。

設計士

施工管理技士として働いていると設計図を読む機会が多いため、その経験を活かして設計士を目指すという方も少なくありません。設計士になるために特別な資格は必要ないため、新たに勉強などをしなくても目指すことができます。

研究職

施工管理技士として働いて、より高度な建築技術を習得したいと感じた場合は、研究職を目指すという選択肢もあります。施工管理技士から研究職に就く場合は、建築関連の研究施設や大学などに就職する必要があります。

営業職

施工管理技士からの転職には、これまで培った建築に関する知識を活かして建築業界で営業職に転職するという選択肢もあります。営業職では深い知識が求められるため、建築業界の営業職であれば施工管理技士として働いて得た知識を存分に活かすことが可能です。なお、営業職の場合知識だけでなくコミュニケーション能力も求められるため、コミュニケーション能力に自信があるという方に向いています。

公務員

意外かもしれませんが、施工管理技士から公務員を目指すこともできます。公務員といえば安定しているというイメージが強く魅力的な職業のため、転職の際に挑戦してみるという方が多いです。施工管理技士から公務員を目指す場合は、これまでの経験を活かして土木部門や復興関連の部門に挑戦する選択肢と、これまでの経験はあまり関係ない一般的な公務員を目指す選択肢があります。一般的な公務員を目指す場合は、公務員試験に合格しなければいけないため、それなりの勉強をする必要があります。

まとめ

本記事では、施工管理技士の転職に多い理由と転職後に選ばれやすい仕事について解説しました。施工管理技士は建築業の国家資格のため、転職後のキャリアステップに豊富な選択肢が用意されています。転職をする際は、焦らずに自分に合った仕事を選択するようにしましょう。転職でお悩み中の施工管理技士の方は参考にしてみてください。

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