建築・設計業界向けの職務経歴書の書き方とは?例文やポイントを紹介

公開日:2022/01/15   最終更新日:2024/06/19


「職務経歴書の上手な書き方が知りたい」そう思っている方は多いです。この記事では建築・設計業界向けの職務経歴書の書き方を分かりやすく解説しています。読んでいただくことで書類選考を突破しやすい職務経歴書をスムーズに書くことができます。ぜひ最後までお読みください。

職務経歴書の書き方は3つある

まずは職務経歴書の基本となる書き方について解説したいと思います。職務経歴書とは、これまでの経験と現時点でのスキルを相手に分かりやすく説明するための書類です。どの書き方が自分の状況やスタイルに合っているか、照らし合わせてください。

編年体

これまでのキャリアを時系列に記載していく方法です。最も一般的な書き方であり、採用担当者も一番目にすることが多いです。どういったプロセスでキャリアを積んできたのか成長してきたのか分かりやすいため、採用担当者の読みやすさにつながっています。

履歴書も編年体で書かれることが一般的ですので、履歴書と照らし合わせながら職務経歴を確認しやすいのもポイントです。指定がない場合やこだわりがない場合は、こちらの書き方を選択するとよいでしょう。どんな業界でも使える書き方です。

一方で直近の職務経歴が埋もれてしまうというデメリットもあります。今のスキルをアピールすることが大切になりますが、直近のスキルや実績が一番下に書かれることになります。採用担当者は大量の書類に目を通しますので見落としてしまう可能性があります。

逆編年体

編年体とは逆の書き方になります。編年体は時系列に沿って書いてありますが、逆編年体は最新のキャリアから順に書いていきます。最新のキャリアを最初に書くことによっていま現在のスキルを伝えることができます。また、今のスキルをアピールすることに適した書き方になるので、過去のスキルや経験を目立たせないようにできます。

たとえば、さまざまな業種を経験してきて職務経歴に一貫性がない場合は役にたちます。日本では、転職回数が多くさまざまな仕事を経験していることを悪いことだと感じる人もいるからです。他にも在籍期間が長い方にオススメです。一社で長く働いていると異動や辞令などで職場や肩書きが変化することがあるためです。

また、伝える内容が多い場合にもオススメです。しかし、デメリットもあります。どういった過程を経て今に至ったのかという、プロセスが分かりにくくなります。また、採用担当者によっては逆編年体に慣れていなくて、見づらいと感じてしまう人もいます。

キャリア形式

編年体・逆編年体とは違い、これまで積んできたキャリアごとに分けて記載する方法です。たとえば「設計職」をしていたならば「設計職カテゴリー」を作り、まとめて表記します。

別に「事務職」もしていたならば「事務職カテゴリー」を作り一覧にします。キャリア形式にすると職種ごとに固めてアピールできるので、自身が希望している職とマッチしていることをアピールできます。ただし、成長プロセスがわかりにくいというデメリットもあるため、自分の言葉で採用担当者に説明できるようにしておきましょう。

職務経歴書に書く内容とは

書類選考がある企業では、採用担当者に認められて初めて面接を受けることができます。いかに分かりやすくて読みやすい文章で「この人、気になる」と思わせるかがポイントになります。ライバルに差をつけられる職務経歴書を書けるようになりましょう。

職務要約

これまでの社会人経験を大まかに説明した文章を記入しましょう。細かいことはあとで記入するのでここでは全体の流れが把握できるよう意識してください。

職務経歴

どんな会社でどんな部署に配属されてどんな仕事を担当したのか、プロジェクトの内容や実績を細かく記入しましょう。

知識・スキル

語学力・コミュニケーション力・パソコンスキル・ビジネススキル・マナーなど、自身が保有する能力を記入しましょう。人間力をアピールできます。

資格・免許

建築・設計に直結する資格はもちろんですが、業務にプラスになる資格を取得していればすべて記入するようにしましょう。

自己PR

人とは違うあなた独自の強みや特徴を記入してください。「その強みが仕事にどう活きるのか?」ということを採用担当者は知りたいと思っています。ポイントは結論から書くことです。

建築・設計業界向けの職務経歴書の例文

ここでは、職務経歴書を例文で紹介したいと思います。項目別に例文を紹介していきますので、ご自分で職務経歴書を作成する際の参考にしていただけたらと思います。

【職務要約】の例文

個人住宅からマンションなどの建築・設計を基本設計から実施設計まで幅広く担当して参りました。現在、10人の部下を束ねる主任として設計に携わっております。

【職務経歴】の例文

・20xx年xx月~20xx年xx月
物件:○○邸個人住宅○○中層住宅
概要
木造2×4工法/2F/建築面接180平米/延床面積290平米
RC造/3F/建築面積630平米/延床面積1,780平米
設計アシスタント※試用期間を経て、個人住宅・中層住宅の設計アシスタントとして勤務

・20xx年xx月~20xx年xx月
物件:○○町マンション新築
概要
RC造/7F/建築面積300平米/延床面積1,600平米
実施設計・基本設計(4名で担当)

・20xx年xx月~20xx年xx月
物件:○○有限会社本社・社屋建て替え工事
概要
SRC造/B1_7F/建築面積650平米/延床面積4,150平米
実施設計・基本設計(4名で担当)
※現在10人の設計士をまとめる主任として勤務

【知識・スキル】の例文

・個人住宅や中層住宅にとどまらず、ビルやマンションなどのさまざまな建築物の設計に携わった経験
・高齢者や幼児など社会的弱者に対して住みやすく利用しやすい建物作りの知識と経験

【資格・免許】の例文

・一級建築士(20xx年xx月)
・一級管工事施工管理技士(20xx年xx月)
・建築設備士(20xx年xx月)
・普通自動車第一種運転免許(20xx年xx月)

【自己PR】の例文

私の強みは2つあります。1つは誰よりも建築・設計に対する情熱があることです。クライアントの要望は極力、実現できるように考え、急な変更にもすぐに対応することを心がけております。

2つ目は仲間を大切にできることです。物事を進めるには仲間同士が信頼し助け合うことが不可欠です。今後もクライアントと、共に働く仲間のために最善を尽くしていきたいと思います。

建築・設計業界向けの職務経歴書を書くときのポイント

どういった書き方をして、どういった内容を書くのか。それは、ここまで解説してきました。あとは、押さえておきたい細かなポイントをお伝えします。

見やすく読みやすく分かりやすい

最低限、所属していた企業の情報を記入しましょう。「どんな規模の会社で、どんな仕事をしてきて、どんな実績を上げたのか?」分かりやすくするため、できるだけ数字で書くようにしましょう。基本的なところですが、資格の取得年月はしっかり記入しておきましょう。

スキル・実績に加え人間性もアピールする

成果を伝えることは必要ですが、それだけでは物足りなさを感じます。「仕事で成し遂げた成果から何を得たのか?何を感じたのか?次の仕事でどう活かせるのか?」そこをしっかりと書いてアピールポイントにしたいところです。

 

職務経歴書の書き方・内容・例文・ポイントなど網羅的に解説しました。難しく感じる職務経歴書ですが、色んな書き方がある理由を理解することで、しっかり書けるようになります。その時々の自分に適した職務経歴書を作成できるようになりましょう。自身の実績・スキルを正しく採用担当者に伝えられるようになり、転職を成功させてください。

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