転職するならどっち?デベロッパーとゼネコンの仕事内容や年収について解説!
デベロッパーとゼネコンの仕事に興味があるけど、詳しく違いが分からない人もいるでしょう。さまざまな部署と連携して仕事を進めていくので、バランス能力に優れた人が求められています。その違いを見ていきましょう。これから建設業界に転職したいと考えている人に、今回の記事はおすすめです。
デベロッパーとは?仕事内容・平均年収について
デベロッパーとは、建築業のなかでも企画と開発を担当する人を指します。マンションやビルだけではなく街全体の建物を開発する仕事です。たとえば、新しくビルを建設することが決定した場合、地域や住民などの特性を活かして、どのようなテナントを募集するのか検討します。
この際、街全体のイメージやコンセプトを崩さないように意識して仕事に取り組んでいるのです。ゼロから作り上げる仕事なので、新しく何かを作るのが好きな人に向いているでしょう。
もくじ
特徴
企画と開発を担当するので、どのような建物や施設を建設すればよいのか検討するのが特徴です。この際、地域住民から意見を吸い上げることや、そのほかの関係者と打ち合わせを重ねることもあります。
地域の特性を活かして活性化させる仕事に従事するためには、宅地建物取引士の資格が必須。不動産の売買や賃貸の仲介などを行う際に必要となるので、就職前に資格を保有しておくほうが有利です。
就職後に受験することも可能ですが、転職前に合格していると給料などの待遇もよくなるので受験しておきましょう。
用地取得
デベロッパーは、建物を建設するために土地を取得する仕事を行います。この際、自分で黙々と仕事を進めるのではなく、不動産業者や行政と連携をとりながら進めていくので、バランス感覚に優れた人に向いているでしょう。
また、交渉して土地を取得できた後は、事業計画を作成して提案します。おおまかなプランや建設費などを提案するので、数字に強くてデスクワークもできる人が求められているのです。
これらのことから、デベロッパーは市場の動向を確認して最新情報をキャッチする能力と、各部署からのレスポンスに素早く対応できる能力が求められています。事業計画を作成するときなどは、自分だけで黙々と業務を進めますが、あくまで調整や交渉がメインの仕事となるので、コミュニケーション能力と責任感が求められるでしょう。
建築および施工管理
ゼネコンとパートナーとなり仕事を進めていきます。企画と開発をデベロッパーが行い、設計と施工をゼネコンが行うのです。そのため、ゼネコンが作成した設計図や施工計画などの内容を確認して、地域住民やクライアントなどが望んでいる物件が完成するように管理します。
ゼネコンが担っている設計や施工の細かい知識は不要ですが、打ち合わせのときに専門用語を活用してコミュニケーションすることがあるので、専門用語の知識は習得しておくほうがスムーズに進行します。また、お互い伝えたいことを伝えられるのでストレスが少ないでしょう。
マーケティング
商業施設やマンションの価格帯を決定します。商業施設の場合は、どのようなテナントに入ってもらいたいか検討するのです。地域の特性を活かしたテナントに入ってもらわないと、商業施設に足を運んでもらえません。
マンションの場合は、どのような人に入居してもらいたいか検討します。富裕層のシニアや中所得者層のファミリーなど、入居者を具体的にイメージアップすることで、的を絞った効果的な広告宣伝が可能になります。テナントや一般客を誘致するための施策を打ち出すのも業務となるので、魅力的な建物であることを伝えることになります。
また、競合ほか社のリサーチも行い、同じようなコンセプトにならないように差別化を図ります。
営業販売
企画と開発を担当しますが、サイトを利用した広告宣伝やパンフレットを制作したPRも行います。営業も業務の一部なので、テナントや一般客を誘致するのです。
法務管理および総務管理
数多くの書類を作成します。大手不動産会社の場合は手分けして作成することも可能ですが、小規模な会社の場合は自分で行う必要があるのです。交渉や打ち合わせの前後を活用して計画的に業務を進めていきます。
平均年収
初任給は21~25万円程度なので、ほかの業界と大きな差は見られませんが、デベロッパーの平均年収は高い傾向にあります。1,100万円以上の年収となっている会社も珍しくありません。そのぶん、求められている仕事のレベルが高く、仕事内容も複雑多岐にわたります。
ゼネコンとは?仕事内容・平均年収について
ゼネコンとは、総合建設業に該当します。発注者から土木工事や建築工事を請け負うのです。それだけではなく、建物を納期通りに仕上げられるように工事専門業者のマネジメントも行うので、業務処理能力の高さが求められています。
勤務する魅力
現在の人々の仕事をよりよくするために仕事に取り組みます。たとえば、鉄道やトンネルなどの社会基盤の構築です。これまで電車が運行していなかった地域に電車が開通することで人々の暮らしが便利になります。
また、トンネルが開通することで、より速く目的地に到着できるようになります。そのほかにも、ランドマークとなる建物の建築やダム建設なども手掛けるので、幅広い仕事に携われるのが魅力です。
そして、道路や建物などは半永久的に残るので、自分の価値を後世に残せるようになります。
営業
発注者の窓口となるので、コミュニケーションをとりながら仕事を進めていきます。仕事のスケールが大きいのでやりがいを感じるでしょう。社内のそのほかの部門と連携して業務を進めていきます。
設計
発注者の要望を踏まえて図面の作成や模型の制作を行います。自分のイメージをかたちに起こしていく作業が好きな人には向いているでしょう。
また、自分が設計したとおりに工事が進んでいくので喜びを感じられます。
施工管理
施工計画、工程管理、品質管理も仕事です。年齢や経験が異なる職人たちをまとめあげるマネジメント能力が求められています。
また、リーダーシップも求められているので、人前に立って仕事を進められる人がよいでしょう。
設備
建物を完成させるのが仕事ではなく、そこで暮らす人や事業を営む人が使いやすいようにするのが仕事です。そのため、エレベーターの設置や電気などの設備を設けるときに、ユーザー目線に立つようにします。
平均年収
891万円が平均年収となっています。ほかの業界と比較すると高いといえるでしょう。
ただし、業績の影響を受けて収入が大きく変化することもあるので注意しましょう。
デベロッパーとゼネコン、転職するならどっち?
デベロッパーとゼネコン、どちらが転職先として適しているかを検討する際には、まず自分の性格や志向性を考慮することが重要です。
デベロッパーが向いている人
デベロッパーは、プロジェクトを企画し、開発から完成まで一貫して携わることが求められる職種です。もし自分がゼロから新しいプロジェクトを生み出すことに興味があり、アイデアをかたちにすることにやりがいを感じるのであれば、デベロッパーが向いている可能性が高いです。地域づくりや社会への貢献を目指す方にも適しています。
ゼネコンが向いている人
一方で、ゼネコンは建設プロジェクトの実行者として、設計や建設のフェーズでの作業を主に担当します。クライアントや発注者と密に連携し、プロジェクトを成功に導く役割が求められます。建築や設計に関心があり、プロジェクトの現場で実践的な経験を積みたいのであれば、ゼネコンが適しているでしょう。
自分にどちらが適しているか
デベロッパーとゼネコンは異なる視点からプロジェクトに関与しますが、両者は互いに協力し合いながら事業を進めることが一般的です。そのため、お互いの仕事に理解と興味をもち、連携を深めることが重要です。
最終的な選択においては、自分の個性やキャリアの目標に合ったほうを選びましょう。将来のビジョンややりがいを考え、自身のスキルや経験を活かせる職場を見つけることが成功への一歩となります。
まとめ
デベロッパーもゼネコンもやりがいを感じられる仕事です。建物やランドマークなどは半永久的に残るものなので、自分の仕事を後世に伝えられます。
また、そこで暮らす人や事業を営む人がいてくれることを幸せに思えるでしょう。人々の生活をより便利に快適にできるスケールの大きな仕事なので、成長志向の人に向いているでしょう。
当然、競合他社が多く存在しているので緊張感をもって業務できます。自分の成長につながる仕事に興味がある人は転職を検討してください。