内装施工管理の仕事の魅力とは?転職で年収をアップさせるコツをご紹介!
人手不足が叫ばれる建築業界において、内装施工管理も例外ではなく、大手による優秀な人材の囲い込みもさかんになっています。内装施工管理は関係する資格取得も大切ですが、それ以上に現場経験と実績も重視される職業です。ここでは、その業務内容や求められるスキル、高年収を得るためのポイントなどを解説します。
内装施工管理の主な仕事内容と平均年収
まず、内装施工管理ではどのような仕事をするか、つまりどのような業務内容になるのかを、少し詳しく紹介します。気になる平均的な年収に関しても、大まかなデータをお知らせします。
業務内容①
現場における工程管理
内装施工管理の仕事はその名の通り、内装における工程管理です。なぜそのような職業が必要かというと、近代建築は完全な分業制であり、工程のそれぞれを専門の技術を持った業者や職人が担当するからです。とくに内装工事については、配線工事や配管工事に始まり、壁や天井に関する各種工事、そして床を完成させるまで、非常に多くの工程があります。それらすべてをうまくマネジメントし、スケジュールを乱すことなくスムーズに進める役割が、内装施工管理者に求められます。
業務内容②
現場における安全・品質管理
内装施工管理では、現場における安全や品質管理の責任を負うことになります。現場では守らなければいけないルールが数多くあります。内装施工管理の業務では、自社の定める施工ルールはもちろん、安全管理上の規則、近隣への騒音、搬入時の安全の配慮など、さまざまなルールを把握しておく必要があります。そして、それぞれの工事関係者が違反していないかのチェック作業も担当します。
業務内容③
打ち合わせや書類作成
内装施工管理では、工事予算の管理や、さまざまな調整役も請け負います。また、関係する書類作成も担当します。とくに予算管理は重要で、資材の発注や職人の手配など、変動するような要素もある中で、予算内、期限内に工事を終える手配をしなければいけません。
もくじ
内装施工管理の平均年収
上の業務内容でも見てきた通り、内装工事管理はマネジメント能力を要求される責任ある仕事です。そのため、多くの現場経験を積んだ人や、関連資格を取得している人などは高く評価される傾向があります。入社したばかりでは小さな現場の見習いから始まるので、年収はせいぜい300~400万円程度ですが、その後はその人の実績に合わせて上がっていきます。
ある程度経験を積んだ中堅で年収500万円前後、10年~20年の経験を積み、大きな現場をいくつも任されるような優秀な人材であれば、年収は800万円を超えるともいわれています。
内装施工管理に求められる能力
次に、内装施工管理で求められる能力を順に見ていきましょう。どの能力が一番大切かといわれると難しいところですが、高収入の内装施工管理者として働くためには、現場経験を積みながら、どの能力もバランスよく身につけておく必要があります。
計画を俯瞰(ふかん)し管理する能力
要は計画実行力なのですが、内装施工管理で求められるのは個人の計画実行力ではなく、定められた後期内ですべての工程を、安全かつ高品質に遂行する、組織としての計画実行力です。日々のさまざまなトラブル対応や部分的な作業の遅れなどがあったとしても、常に計画全体を意識しておく、そんなリーダーシップ的能力、俯瞰的な視点を持つことが大切です。
コミュニケーション能力
現代の建築現場というのは、たとえ小さい規模の工事でも、多種多様な業者や職人が関わります。とくに内装施工管理では工程も多く、同時に多くの業者や職人とコミュニケーションをとらなければ、成り立ちません。職人気質という言葉通りの職人さんたちや、ビジネスライクな施主など、どんなタイプの人ともうまく意思疎通をして、現場の空気を常によい雰囲気で進められる、多くの人と円滑にやっていける、そんな能力も重要です。
判断する能力
内装施工管理の現場では、悪天候の影響や、交通事情等による搬入の遅れ、人員不足などは日常茶飯事と思うべきです。そのような日々のトラブルの重要度を判断し、軽いものならその場でうまく修正して対処、重大なものは上役や依頼主にも報告、といったように、臨機応変の判断力が役立ちます。
マネジメント能力
マネジメント能力という言い方で括ってしまうと誤解されるかもしれませんが、内装施工管理の仕事は、ガテン系、体育会系のイメージの強い建築業界の中においても、かなり事務方、後方支援の仕事であるという事実は強調しておきたいです。金銭管理を含む書類仕事や、さまざまな数字計算なども根気強くやれる人でないと、内装施工管理には向きません。
年収アップのコツとは
最後に、内装施工管理として年収をアップさせる方法について、いくつか解説します。内装施工管理は、基本的に経験と実績を積むことで評価される職業です。現場を安心して任せられるような人材であれば、年収も自然と上がる傾向があります。もちろん、これから紹介するように、積極的に年収アップを狙う手段もあるので、自分に合った年収アップの道を探してみるとよいでしょう。
現場経験と実績がものをいう職業
内装施工管理は、どんな形であれ現場に関わること自体が経験と実績となり、年収などの評価につながります。「任された現場をトラブルなく、引き渡しの納期までに仕上げ、かつ利益の出る予算内ですべての作業を終える」当たり前のことですが、こうした実績を何件も何年も積み重ねるのが、もっとも確実な年収アップの道です。また、現場での実務経験が重要なのは、次に紹介する資格取得の必須要素になるという理由もあります。
関係する資格の取得で評価アップ
内装施工管理をするうえでもっとも重要な資格は、建築施工管理技士資格です。建築施工管理技士には1級と2級があり、工事予算の規模に合わせて主任技術者や監理技術者を専任で配置する必要などから、1級保持者となると大手ゼネコンなどで大きな需要があります。
そのほかにも、建築士資格をはじめとして建築に関わる資格は数多くあり、スキルアップの過程で複数取得したり、特定の専門性を伸ばしたりすることで、評価アップにつながります。いずれの資格も建築学や関連法令などの高度な知識試験に合格する必要があるうえ、受験の大前提として複数年の現場での実務経験が要求されるのが共通項目です。よって、実際に社員として働きながら資格取得を目指すのが一般的で、会社側もそれをサポートしてくれる場合が大半です。
待遇のよい会社への転職
現在の年収や待遇に納得がいっていない場合などは、より待遇のよい会社に転職する方法もあります。もちろん転職にはリスクもありますが、内装施工管理のエキスパートとしてじゅうぶんな経験があれば、転職先に困るようなことはないでしょう。
先ほど紹介した資格保有者であれば、もっとチャンスは広がります。大手企業では、大きな案件、大規模な現場をいくつも担当するようなこともあり、年収アップの期待だけでなく、さらなるステップアップの経験を積むこともできます。
独立開業という究極の夢
内装施工管理には独立開業の道もあります。いくら優秀な内装施工管理であってもサラリーマンとしては年収に限度がありますが、自分の会社を持ってしまえば可能性は無限大です。職人として業界に入り、内装施工管理を学んでやがて独立、従業員や多くの職人たちの面倒を見ながら、大手元請けから大きな案件を任される施工会社に…といったビッグなサクセスストーリーも、決して夢物語ではありません。
まとめ
内装施工管理の仕事について、その年収や求められる能力についてまとめました。専門性が高く、また内装施工管理の仕事も決してラクなものではありませんが、キャリアアップにつれて大きな案件も担当するようになれば、自分の業績が世の中に役立ち残っていく、とてもやりがいのある仕事でもあります。収入面や待遇面も悪くはないので、建築に興味を持っている人には、おおいに魅力的な仕事といえるでしょう。