建築設計業界はブラック企業が多い?求人情報の見分け方とは

公開日:2022/03/15   最終更新日:2026/05/25

残念なことに、建築設計業界にはブラック企業が多いという声があります。とはいえ、人の活動になくてはならない業界でもあり、求人を見かける機会も多いのではないでしょうか。そこで、建築設計業界にはブラック企業が多いといわれる理由や、ブラック企業に該当する求人を見分けるためのポイントなどを解説します。

建築設計業界にブラック企業が多いといわれる理由

ブラック企業が多いといわれるには、きちんとした理由があります。理由と原因を知ることで、ブラック企業を見極める力を身につけられるかもしれません。また、自身に適した企業を知るきっかけにもなることでしょう。ブラック企業といわれる理由と、その原因について紹介します。

残業を含めた勤務時間が長い

建築設計業界では力や体力を必要とする業務も多く、少子高齢化の影響を大きくうけている業界でもあります。そのため、数ある業界のなかでも建築設計業界はとくに深刻な人材不足に悩まされているといえるでしょう。

しかし、建築設計業界はなくてはならない業界です。人手不足に比例して、勤務時間が長くなるのも当然の話といえるかもしれません。

身体的に辛い仕事が多い

建築設計業界にはさまざまな仕事がありますが、肉体労働が必要な仕事も少なくありません。屋外での作業や重い資材を運ぶこと、高所での作業など身体的に辛い仕事だといえるでしょう。

当然、年齢を重ねるほどに負担は大きくなるため、体調を崩すこともゼロとはいえません。現場によっては夜間の作業や土日の作業も必要となり、人によっては給与に見合った労働ではないと感じることもあるようです。

人間関係のトラブルになりやすい

従来の風潮を引き継いでしまい、上下関係が厳しい企業もあるようです。小規模な企業であれば家族経営なども多く、新しい業務形態の見直しが行われない傾向にあることも原因としてあげられます。

さらに人手不足により心にゆとりを持って働けない状況下となり、パワハラなどが横行しやすいともいえるかもしれません。世間や法律的に許されないことが行われるのも、これらが原因と考えられるでしょう。

働きやすい建築設計会社もある

ブラック企業が多いといわれる建築設計業界ですが、すべての企業がブラック企業に該当するわけではありません。また、少しでもブラック企業を減らすためにと、国を始めとする機関が改善への取り組みを進めています。働き方改革がそのひとつといえるでしょう。

更に、企業が人手不足を解消するために働きやすい環境を整えるようにもなってきました。情報社会である以上、ブラック企業の情報は周知されやすく、企業側も対策が必要になっているといえるかもしれません。

ブラック企業にありがちな特徴とは

ブラック企業に対する明確な定義はありません。主な特徴としてあげられるのは、社員を長時間労働で拘束する、達成するのが難しいであろうノルマを課す、賃金や残業代を適切に支払わない、セクハラ・パワハラで社員を追い詰める、体調不良でも出勤を強要するなどです。

労働条件・待遇が悪い

労働時間に関しては、過労死ラインというものが設定されています。厚生労働省によると、月の残業時間が80時間を超えてしまうと健康障害が起こりやすいといわれているのです。そのため、残業時間が80時間を超えている場合ほぼ間違いなくブラック企業と断定してよいでしょう。

また、給与が最低時給を下回っている、残業しているのにみなし残業によって見合った給与を支払っていないというケースもあります。そして、長時間仕事に従事して確実な成果をあげているのにもかかわらず、昇給しない場合はブラック企業と疑う必要があります。

そのほかにも、年間休日が100日を下回っている、有給が取得できない、休日に呼び出されたうえに代休が取れない、冠婚葬祭に出られないなど、社員への待遇が著しく悪い点が特徴的です。パワハラやセクハラが見過ごされていたり、離職する人が多かったり、実際に体を壊して入院してしまったりする社員が出ていたりすると、労働環境が悪いといえるのです。会社の商品を買わされる、備品を自腹で購入させられるなど、金銭面でも負担をかけてくることが考えられます。

意見が通らない

ブラック企業に就職して、人を人と思わないような扱いをされたり、明らかに体に負担がかかるほど働かされたりすると、おかしいと声をあげたくなるでしょう。ただ、長くブラック企業に勤めている人にとっては、その過酷な環境が当たり前になっていることが考えられます。そのため、どんなに仕事やノルマを課せられて無理だと声を上げても、上司に意見することが許されない雰囲気になっている可能性が高いです。

就業規則が整っていないため、どんなことをいっても「うちのルールにない」と言い訳されてしまうかもしれません。中には雇用契約を結ばない、違法な契約を結ぶというケースも存在します。

一族経営の会社

一概にはいえませんが、会社の幹部が身内ばかりで構成されている場合は注意するとよいかもしれません。たとえば、上司とトラブルが発生した場合、相談できる人間が上司の家族である可能性があります。

トラブルの相談ができない、もしくはトラブルが解消されないことも少なくないでしょう。それらが積み重なり、よくない労働環境が続いている恐れが考えられます。求人情報や口コミを十分に確認することをおすすめします。

独立したOBやOGの人数が少ない

独立するには相応の技術が必要です。そのため、独立した社員が多いということは、ひとりひとりにきちんとした教育が行き届いている可能性が高いといえるでしょう。

一方で、もし独立したOBやOGの人数が少ない場合は、教育がおろそかであったり従業員を大切にしていなかったりと、職場環境がよくなかったことが考えられます。求人情報だけではなく、OBやOGの活躍にも注視するのもよいかもしれません。

転職する際の求人情報の見分け方

求人情報は、仕事を探すうえで必ず目にするものです。ブラック企業ではない、自身にあった企業を見分けるには求人情報のどこに着目すればよいのでしょうか。続いて、チェックしたい求人情報の項目とその内容を解説します。

募集期間や募集人数

常に求人を募集していたり、募集期間が長かったりする会社には注意が必要かもしれません。また、事業拡大以外を理由にした複数名の募集も同様です。常に人材不足が続いている状況であると考えられます。なんらかの理由により新しい人材が定着しない可能性があるといえるでしょう。

給与の振り幅

資格や経験の有無で給与が変わるケースは多いです。しかし、そういった条件がない求人で提示される給与が高い場合は注意したほうがよいでしょう。ノルマの達成が必要であったり、みなし残業が含まれていたりする恐れがあります。

また、たとえ有資格者待遇の求人であっても給与の振り幅が大きすぎる場合は、昇給がない、もしくは何らかの理由で提示された給与が払われない可能性も考えられるといえるでしょう。

応募条件

一概にはいえませんが、応募条件に縛りがない場合はただ人材がほしいだけの可能性があります。従業員を大切にせず、動ける人材がいればよいという考えの表れかもしれません。

もちろん、なかには若手や未経験者を育てたいという会社も存在します。しかし、社員を大切にしないことで人材不足に陥り、応募条件がゆるくなっている会社も少なからず存在するようです。

仕事内容

あまりにも幅広い業務内容が記載されている場合や、仕事内容が曖昧である場合は注意したほうがよいでしょう。問い合わせた際に、返答をはぐらかす会社や曖昧な回答をする会社はなんらかの問題を抱えている可能性が高いといえます。

また、昇給や昇格が早いことを謳う場合も同様です。離職により30代や40代の中堅世代が少なく役職だけがあがっていく、もしくは優秀な人材ばかりを待遇するなどの恐れがあります。

職場の雰囲気

求人を見ていると「アットホームな職場です」「社員全員仲がいい」「仕事だけでなく遊びにも全力」など、魅力的な言葉を掲載している企業があります。ただ、求人情報にわざわざ職場の雰囲気がよいことを強調している場合、ほかに企業としての強みがなかったり、上司の無理難題が通ることをアットホームという言葉に置き換えていたりする可能性が考えられます。

条件面はしっかりチェックを!

週休2日制と書かれているのに年間休日が100日以下、基本給が相場より低く「諸手当」などぼかした形で給与を増やしているなど、不審な労働条件はしっかりチェックしておきましょう。ブラック企業に就職しないようにするためには、最初から1社に絞るのではなくほかの企業の情報と比較しながら、条件面・待遇面の良し悪しを見極めることをおすすめします。

ブラック企業かどうか調査する方法

ブラック企業かどうか調査するために、企業のホームページを確認してください。通常、企業のホームページには事業内容がしっかり記載されている傾向があります。内容が充実していない場合、ホームページの運営に手が回っていないほど忙しいか、社内がまとまっていない可能性が高いので注意しましょう。

そして、インターネットが普及している現代で、ホームページが存在しない企業にも注意が必要です。情報を公開すると不都合があるのかもしれません。また、離職率が高くキャリアを積んでいる社員がいないことを若手が活躍できる会社と表現していたり、大きすぎる目標を設定していたりする企業にも用心することをおすすめします。

口コミや会社の様子を調べる

企業の口コミサイトで評判をチェックしましょう。口コミサイトには、実際にその企業で働いた人の正直な意見が書かれています。入社しないと分からないような社内の雰囲気や働いている人の様子が分かるため、忘れずに確認してください。

また、実際に会社がある場所へ足を運んでみて、深夜や休日関係なく電気がついているかどうか見てみましょう。時間交代制の仕事でない場合、毎日のように遅くまで誰かが働いている企業はブラック企業の確率が上がってしまいます。実際に面接へ行った際に、社員の表情やオフィス内の整理整頓具合、面接官の態度から見抜くという方法もあります。

ブラック企業に就職してしまったときの対処法

入社してからブラック企業だと気付いた場合、同じような被害に遭っている社員と結託して証拠を集めてください。1人だけでブラック企業に対抗しようとしても、多勢に無勢で不利になってしまう恐れがあります。セクハラやパワハラは音声データやメールの記録を残しておいて、総務や幹部クラスの社員に相談します。

会社全体がブラック企業の場合は、社外の労働組合や労働基準監督署へ報告しましょう。企業が行っていることの違法性が認められると、必要に応じて警告を出してもらえます。

ただ、労働基準監督署に相談したことが発覚すると、社内での立場はより危ういものになるかもしれません。内部告発した人物だとばれてしまうと標的にされやすくなることが予想されるので、最終手段にしておいてください。

転職するという手段もある

ブラック企業の問題は、自分の力だけで解決するのは難しいかもしれません。そこで、自分で環境を変えるために転職するという方法もあるのです。忙しい日々で転職まで頭が回らないでしょうが、ずっとブラック企業に居続けると体も心も壊れてしまいます。やめさせてもらえない場合でも会社の規約に則って、毅然とした態度で退職願を出しましょう。

自分で電話するのが怖いという方は、退職代行を利用することをおすすめします。そして、転職する際には口コミサイトをチェックしたり転職エージェントを利用したりして、入念に調査したうえで次に就職する会社を選んでください。

まとめ

今回はブラック企業の特徴や見抜き方、対処法などについて紹介しました。ブラック企業を始めとする悪質な労働環境である会社を避けるには、判断できる情報を集めることが最も効率的で確かな道だといえるでしょう。しかし、自身の力では得られる情報も限られます。インターネットが普及している情報社会であるからこそ、情報を得るために最大限の手段を駆使することをおすすめします。求人サイトや口コミなど、さまざまなツールを利用して、自身の納得できる建築設計業界の求人を見つけてくださいね。

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