施工管理に求められる能力は?仕事をスムーズにこなすためのコツも解説!
施工管理に求められる能力は、統率力やコミュニケーション能力以外にもたくさんあります。また、仕事を継続できる能力やそれを支える体力や精神力も備わっていなければいけません。ひとつずつ必要な要素を見ていきましょう。これから施工管理の仕事に携わりたいと考えている人に、今回の記事はおすすめです。
施工管理の仕事は多岐にわたる?主な仕事内容について
さまざまな仕事に携わることになります。ひとつの分野だけではなく、すべての分野をバランスよくこなせる人材が求められています。
原価管理
工事に必要な費用と自社が獲得する利益のバランスを重視して、人員や材料などの運用を管理することです。工事に携わったのはよいものの、工事が終了する頃に数字を振り返ってみると赤字の状態では、自社の利益が損失していることになります。
そのようなことにならないように、施工管理には原価管理という仕事が与えられているのです。まず、どの程度の利益を生み出してほしいのかあらかじめ示されるので、その利益を生み出せるように人員や材料などを運用する計画を立てます。
たとえば、基礎工事に必要な人員、作業時間、機材などを見積もり、どの程度の費用が発生するのか計算します。このように計算を進めていき期待通りの利益が生み出せれば問題ありませんが、そうではない場合は再び計画を練り直すのです。
実行予算
単純に予算を計算するだけではなく、利益まで計算しなければいけません。実際に工事で必要な予算を計算することになりますが、極端に人員や材料を削減すると、工事の品質が低下して事故などのトラブルが発生する可能性があります。
反対に、人員や材料に余裕をもたせすぎると、人件費や材料費が高額になるので、利益を生み出すのが難しくなるのです。
品質管理
品質を判断する基準が地方自治体で定められているので、建築会社などでは定められた基準に近づけられるように品質を管理します。この際、発注者が求めている品質のレベルを知ることが重要です。
発注者が求めているレベルまで到達していないと、発注者の満足度が低下します。反対に、レベルまで到達していると発注者の満足度が高まるので、さらなる顧客獲得に向けてよい印象を与えられるのです。
工程管理
工事のスケジュール管理を行います。最初に計画したとおりに工事が進んでいるかどうか確認します。一般的なハウスメーカーの場合は、工事を下請け業者に発注するようになっていますが、計画したとおりに進行していないと、色々と問題が生じてしまいます。
それを未然に防止するためにスケジュール管理を行うのです。人員が不足している場合は人員を投入するなどの支援を行うようにします。
安全管理
工事現場は危険な箇所がたくさんあります。人員が負傷しないように三角コーンなどを活用して、危険個所を表示するのも安全管理です。
また、人員のみならず、クレーンやトラックなどが正常に機能するか確認するのも安全管理の一環です。大きな事故の発生を未然に防ぐことで、高いパフォーマンスを発揮できます。
KY活動
危険予測の略語です。現場で活動する人員に対し、危険が予想される場面や場所を周知することが目的としています。
全員が同じ認識を持っておくことで、事故を未然に防止できます。朝礼や終礼の場面で情報を共有するのが一般的です。
施工管理で求められるもの・能力とは
計画を立てられるだけではいけません。あくまで実行段階に移せないと意味がないからです。現場で勤務する職人や取引先と上手に関係を構築できる人に向いている仕事といえます。
統率力およびコミュニケーション能力
いくら素晴らしい計画を立てたとしても、作業員をまとめ上げる統率力に欠けていると、計画を立てただけで終わってしまいます。品質管理も工程管理も実行されなければ意味がないのです。そのため、日頃から作業員とコミュニケーションをとって良好な関係を構築する必要があります。
また、作業現場が大きくなればなるほど、現場で携わる人数や機材が増加します。それをまとめ上げるためには、人間関係の軋轢を生まないようにするのがポイントです。
段取り力
計画を立てればよいというものではなく、実行可能なものにしなければいけません。そのため、悪天候や予測不能なトラブルなどで工事が中断してしまうことも考えながら計画を立てていきます。
また、人員や材料を適切に運用するために、人員の配置をバランスよくする必要もあるのです。すべての業務の段取りがよくないと、工事に取りかかるための準備が進まなくなるので、必ず期日までに終えられるようにします。
先を読む能力
トラブルは起きるときに起きてしまいます。その原因を読む能力が備わっているとよいでしょう。
人間関係に起因するものなのか、能力に起因するものなのかを明らかにできれば、その原因を取り除く取り組みを実施すると、状況は改善します。想像力を働かせるのが苦手な人には難しいかもしれません。
経理能力
企業の利益を生み出すためには、大雑把な計算をしていると失敗するでしょう。緻密に計算できる能力が求められています。
費用は多めに売上は少なめに計算することがリスク管理につながります。数字に強くなる必要があります。
交渉力
デスクワークが主体の仕事ですが、取引先と交渉する機会もあります。ただ取引先の要求を呑んでいるだけでは、自社のメリットがありません。
自社の要望を伝えながら丁寧に交渉を進めていく能力も必要です。
どんな人が向いている?仕事をこなすためのコツとは
仕事を継続する能力、体力、精神力の3つが高いレベルになくてはいけません。そのためには、日頃からの自己管理能力を高めていきましょう。
地道に仕事を継続できる人
プロジェクトが立ち上がってから終了するまで仕事に関わることになります。プロジェクトが始まると、さまざまなトラブルが発生することもあるでしょう。
そのような状況になっても途中で投げ出すことなく、地道に仕事を継続できる人が向いています。
長時間の仕事に耐えられる体力がある人
施工管理の仕事は体力勝負です。職人が出勤する前に、現場の状況を確認して朝礼の準備などを行わなくてはなりません。日中は取引先と打ち合わせなどを行い、職人が帰宅した後にその日の工事内容を振り返ります。
また、現場写真の提出などの仕事があるので、業務に慣れると要領よくこなせるようになりますが、最初の頃は苦労するでしょう。そして、工事の遅延や事故が発生したなどのトラブルに見舞われているときは、帰宅時間がさらに遅くなります。
年齢が若いうちは対応できるかもしれませんが、年齢を重ねると厳しくなってくるでしょう。
精神力が強い人
少々言葉が荒い職人が在籍している職場です。そのため、精神力が強くないと対応できなくなるでしょう。
また、取引先からクレームの連絡が入ることもあります。それにも対応できるタフさが求められています。とくに新人で入社した頃は、右も左も分からないので間違いを起こすこともあるでしょう。
そのたびに上司や職人などから指導を受けますが、それに反抗することなく耐える必要があります。精神的にしんどい状態が続いてしまうと離職してしまうことも考えられます。
まとめ
施工管理は工事の成功を担う重要なポジションです。そのため、やりがいが大きく成功したときの達成感も味わえます。
その反面、苦労することが多いので、精神的にしんどくなることもあるでしょう。しかし、仕事を通じて成長できる職場であることは間違いありません。
また、顧客や取引先から感謝される仕事でもあります。自分の能力を高めると、上手に仕事を進められるようになるので挑戦してみましょう。