建築設計業界における40代の転職とは?必要なスキルや資格は?

公開日:2022/04/01   最終更新日:2024/06/19

40代必要なスキル

住宅や商業施設、公共施設など、人々の生活に欠かせない建物をつくる建設設計業界。魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。この記事では、建築設計業界における40代の転職についてご紹介します。転職に有利になるスキルや資格についても合わせてお伝えしますよ。今後のキャリアについて悩んでいる人は、ぜひチェックしてみてください。

40代でも建築設計業界に転職できる?

まず、結論からお伝えすると、40代でも建築設計業界に転職可能です。一般的に、35歳以上の転職は難しくなるといわれていますが、建築設計業界は仕事の幅が広く、種類もさまざまです。今までのキャリアを生かした転職も可能でしょう。

建築設計業界の仕事の種類

建築設計業界の仕事内容は、主に以下の7つの職種に分けられます。ほかにも、システム情報の管理や社員の安全保守など、仕事内容は多岐にわたります。

1)販売・営業職

販売・営業職は、建物や土地を販売するのが仕事です。お客様の要望を的確に把握して提案するなど、重要な仕事といえるでしょう。異業種で販売・営業の仕事をした経験があれば、採用されやすいです。

2)現場作業員

現場作業員は、工事現場で作業する職種です。重機オペレーターやとび職、鉄筋工、大工、左官工、塗装工、内装工、電気工事士、設備工事士などの種類があり、それぞれ専門技術を習得しています。未経験者も参入しやすい職で、技術を身に着けていくことが可能です。

3)施工管理職

施工管理職は、工事のスケジュールを決め、建物の完成までを工程管理や安全管理をする仕事です。現場責任者・現場監督とも呼ばれ、リーダーシップや危機管理能力が求められる仕事ともいえるでしょう。主に、建築・土木・設備の3つの部門に分かれています。

建築は、マンションや公共施設などありとあらゆる建築物に携われる仕事です。また、土木は、道路・鉄道・電力などのインフラ設備に関わる仕事です。設備とは、電気・ガス・水道・空調などを建物やお客様に合わせて施工します。施工管理職になるには、建築施工管理技士や土木施工管理技士などの資格が必要です。

4)設計職

設計職は、建物の構造や外観などを担当する意匠設計、建物の骨格や土台を設計する構造設計、電気・ガス・水道などの設備を整える設備設計の3つに分かれています。お客様とやりとりしながら、お客様の要望をくみ取り、形にするコミュニケーション能力も重要でしょう。

中途採用の場合は、建築士の資格を持っている人が有利です。未経験でもチャレンジしたいなら、まずは施工管理職を目指し、実務経験を積んでから設計の仕事にも参加するという流れをおすすめします。

5)設備工事職

設備工事職は、電気・ガス・水道・ネットなどの設備をつくります。電気工事士・給水装置工事主任技術者・水道技術管理者などの資格があります。働きながら資格取得を目指しましょう。

6)事務職

事務職の仕事は、書類の作成や従業員の管理などです。未経験でも事務職の経験があれば、チャレンジしやすい職種でしょう。

7)経理

経理は、建設設計会社のお金の流れを管理しています。異業種で経理の仕事をしていれば、優遇されやすいです。

建築設計業界の待遇や給料事情

建築設計業界の待遇

ハードワークも多いといわれている建設設計業界ですが、高齢化や人手不足から、待遇面は年々、改善されています。たとえば、週休2日制の実現。日雇いの職人も多く、天候に左右されやすい仕事であることから、週休1日であることが一般的でしたが、労働力確保のためにも週休2日制がすすめられています。

また、作業のロボット化やICTの導入によって、リスクのある仕事や体力が必要な仕事は減っているといえるでしょう。同時に、保険・資格取得のサポートなど、福利厚生も整ってきています。

建築設計業界の給料

給料は、会社の規模や職種によって異なります。大手企業の管理職であれば、月給50万円~60万円ほどです。役職がついている人が多く、残業代は出ない人がほとんどでしょう。中堅企業であれば、月給は40万円前後です。職種別だと、施工管理職・建築士・営業職は35万円前後、設備工事・土木工事・仕上げ工事関連の人は25万円前後、事務職は20万円前後です。それぞれ、経験や技術によっても給与は異なります。

あると有利になる建築設計関係の資格

資格や経験がなくても転職できる建設業界ですが、資格があれば、より条件のいい転職がかなえられるでしょう。ここでは、転職に有利な資格を4つご紹介します。どの資格もキャリアアップや年収アップにつながるので、チェックしてみてください。

ほかにも、インテリアコーディネーター・CAD利用技術者試験・ハウスクリーニング士・防犯設備士などの民間資格は、建築に関する知識を身に着けるのに最適な資格でしょう。また、土木施工管理技士・建築施工管理技士・基礎施工士・建設整備士・コンクリート技士・診断士・圧入施工技士・クレーン運転士なども、キャリアアップ目指して取るとよい資格です。

二級建築士

まず、建築士の資格は国家資格で、木造建築士・二級建築士・一級建築士の3種類があります。一級建築士と二級建築士とで異なるのは、扱える建物の規模です。二級建築士は、取り扱える材質や大きさに制限がありますが、一級建築士には制限がなく、ありとあらゆる建物を取り扱えるようになります。

二級建築士の資格は、建築系の学校で指定科目を修めて卒業すれば実務経験0年、それ以外であれば実務経験を7年積むと、免許登録ができるようになります。建築系の学校を卒業していない人は、転職しやすい会社で実績を積み、資格取得を目指すのもひとつの手でしょう。

建築CAD検定試験

建築CAD検定試験とは、CAD(キャド)を用いて建築用図面を描く技量を測る試験のこと。CADは、ComputerAidedDesignの略で、コンピューターを使用して作図できるようにしたソフトのことです。

等級は准1級・2級・3級・4級で構成され、高校生は4級から、社会人は3級から受検します。誰でも受検できる資格なので、未経験から建築設計業界に転職しようと考えている人には最適でしょう。通信講座やスクールでも学べるので、チェックしてみてください。

施工管理技士

施工管理技士とは、建築施工管理技士・土木施工管理技士・電気工事施工管理技士・管工事施工管理技士・電気通信工事施工管理技士の7種類に分けられ、それぞれ1級と2級で構成されています。受験資格には実務経験が必要です。それぞれ必要な実務経験の年数が異なるので、事前に確認しましょう。

建設業経理事務士・建設業経理士

建設設計業界は、専門的な用語や会計処理が必要なので、一般的な経理とは異なります。そこで、建設設計業界の経理業務を専門に行う簿記の資格が建設業経理士です。

3級や4級に合格すれば、建設業経理事務士と名乗れ、1級や2級に合格すれば、建設業経理士と名乗れます。とくに2級以上を合格し、建設業経理士の資格が得らえれば、転職に有利にはたらくでしょう。

建築設計業界に40代で転職する際のポイント

転職エージェント選び

自分に合った転職エージェントを選ぶことが重要です。自分の希望する条件、経歴を確認し、それに合ったサイトを選びましょう。転職エージェントを選ぶ際には、サポート体制やそのサイトの得意分野について把握することをおすすめします。

転職業界でトップの求人掲載数をほこるリクルートエージェントはもちろん、建設設計業界に特化した転職エージェントや、40台におすすめの転職エージェントなどさまざまな種類があります。

たとえば、建設業界の求人を多数そろえる建設・設備求人データベース、建設設計業界専属のエージェントがサポートしてくれるアーキテクト・エージェンシー、施工管理職に特化した施工管理求人ナビ、35歳以上の求人情報だけを掲載するFROM4030代・40代のミドル世代をターゲットにしたエンミドルの転職、年収アップを目指せるビズリーチです。複数の転職エージェントを併用し、転職活動を成功させましょう。

ブラック企業か見極める

せっかく労力や時間を割いて転職したとしても、そこがブラック企業であれば、後悔することになるでしょう。ブラック企業か見極めるポイントを3つご紹介します。(1)「努力・根性・やりがい」を強く訴えている、(2)不自然に給料が高い、(3)長期間募集している、の3点です。

1)ほかにも、夢・アットホーム・成長などを誇張していれば注意すべきでしょう。労働環境が整っておらず、社員に根性論を押し付けてくる可能性が高いです。

2)ほかの会社と比べ、不自然に給料が高かったり、昇給が早かったりする会社は、きついノルマを課すことや長時間労働が当たり前である可能性があります。

3)長期間、あるいは高頻度で求人をだしている会社は注意してください。人が応募しない理由や、仕事が長く続けられない理由があるはずです。

この3点のほかにも、面接時に具体的な話がないまま、入社の意思を確認してきたり、こちらからの質問をはぐらかしたりする会社は注意してください。疑問や疑いなく、入社するためにも、面接時に給与や待遇などを具体的に確認しましょう。

 

社会貢献度も高い建設設計業界。ハードワークが多いといわれる一方で、福利厚生の整備や危ない仕事のロボット化など、働き方改革が進んでいる業界でもあります。設計や施工だけでなく、販売や事務など職種も幅広いため、未経験の人でも参入できるチャンスがあるでしょう。転職エージェントは種類豊富です。建設設計業界への転職を考えているなら、業界事情に詳しい転職エージェントをおすすめします。

 

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