現場の仕事だけではない!?転職前に知りたい施工管理技士の事務作業

公開日:2023/04/15   最終更新日:2024/06/19


建築設計業界で人気を集めている仕事のひとつに施工管理技士があります。現場の管理を適切に行うことが求められていますが、現場だけではなくデスクワークが主体となる仕事でもあります。施工管理書の作成、原価計算、施工図の作成に取り組むために、業者などとコミュニケーションが必要になるので、幅が広い仕事ともいえるでしょう。

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施工管理技士の大まかな仕事内容

さまざまな仕事があります。現場の管理を適切に行う能力が求められています。

朝礼の準備

朝礼で話すことだけを考えるのではなく、朝礼で話すことをまとめた資料や全員に配布する資料などがあれば準備します。当日の工事の流れ、危険箇所、新たな情報などがあれば漏れなく伝えるようにします。現場は危険箇所が多いので、職人や大工が怪我しないように、きちんと情報提供することを忘れないように心がけます。

施工計画書の作成

工事が始まるまでに施工計画書を作成します。職人や大工の人数、工事の流れ、資材などを見積もり計画に反映させます。施工完了日が基準となるので、それに間に合うように逆算して計画を立てることになります。こちらの計画の内容が良ければ、無理なく無駄なく工事が進行します。

しかし、計画の内容がよくなければ、無駄や無理が生じてしまうので現場で働く職人や大工の負担が増加します。計画を作成するときに、現場で働く職人や大工の意見なども反映することが大切です。

原価計算

数字に強くないと会社の利益が少なくなってしまうだけではなく、場合によっては赤字になってしまうこともあります。原価を上回る利益を生み出すのはもちろんのこと、いくらの利益を生み出すことが求められているのか常に考えておかなくてはいけません。

そのためには、日々の工事で発生した費用の計算だけではなく、施工計画書の見直しも必要です。たとえば、人員の配置に無駄がある場合は、人員を減らすことで人件費を削減します。資材の使用量が計画よりも多くなっている場合は、現場の職人や大工に状況をヒアリングして、無駄なく使用するように指示します。

利益を生み出すために欠陥住宅を建てるのは問題ですが、利益を生み出さないと企業が存続しないのも事実です。そのバランスを保ちながら原価計算します。計算は基本的にはパソコンで行いますが、計算式などはある程度自分の頭にインプットしておく必要があります。

施工図の作成

建築士が作成する図面は顧客や行政の担当者に見せるものなので、工事現場では使用できません。建築士から受け取った図面を施工図に書き直す作業を行います。このときにCADを使用するのでスキルを身に付けておきましょう。この際、図面を施工図に書き直すだけではなく、図面のとおりに物件が完成するように作業や工程についても考えながら作成します。

写真の整理

現場の写真をたくさん撮影するので、写真データが蓄積されています。それらを整理するのも仕事です。複数の現場を担当していると1日の作業であっという間に写真が増えてしまうので、時間を見つけて整理するようにします。

行政向けの書類作成

公共工事に携わっていると、役所の担当者のもとに足を運ぶ機会があります。役所に提出する資料を作成して提出するのも仕事です。民間の工事よりも書類の数や種類が多くなるので、期日までに仕上げるようにします。

打ち合わせ資料の作成

業者と打ち合わせするだけではなく、顧客と打ち合わせすることもあります。それぞれに向けた資料の作成が必要になるので打ち合わせまでに作成します。状況にもよりますが、打ち合わせ前に資料だけ先にデータなどで送付してほしいといわれることもあります。そのときは約束の日時までに資料を作成します。

発注書類の作成および発送

工事に必要な材料、トラック、人員などの発注業務を行います。数や型番を間違えてしまうと大変なことになるので、ミスを防ぐためにも確認は念入りに行います。

業者との調整

直接顔を合わせて業者と調整することもありますが、メールや電話などで調整することもあります。トラブルが発生したときは優先順位を上げて対応することが求められているので、そのほかの業務を計画的に進めておく必要があります。

請求書の作成および発送

工事が完了したタイミングなどに請求書を作成して発送します。こちらも期限が経理から示されているので忘れずに行います。

報告書類の作成

日報や月報などの作成を行います。必要に応じてそのほかの書類も作成します。

施工管理技士も事務作業が多い

事務作業が滞ってしまうと、現場の仕事に影響を及ぼしてしまいます。そのため、先行的に仕事に取り組むようにしています。

全体を俯瞰して計画などを作成する

工事全体を管理する仕事になるので、工事開始前から工事終了後までの一連の流れを頭に入れて業務する必要があります。また、自社だけですべて完結できる仕事ではないので、関係業者と調整することや役所に書類を提出することもあります。そのために必要な書類などの作成を行うことになるので、デスクワークの時間が長くなるでしょう。

仕事内容はデスクワークだけではありませんが、1人で複数の現場を担当している場合は、図面の設計や請求書の作成などの目の前の業務に多くの時間を割くことになります。事務作業が滞ってしまうと業務が円滑に進まなくなるので、関係機関に迷惑がかかります。就業直後は上司などから指示された業務を行って徐々に仕事に慣れていきますが、就業年数が長くなると、自分で時間をコントロールする技術も求められるようになってきます。

細かい作業も必要となる

備品の発注やリース品のレンタル期間の調整なども行います。細かい作業も担当することになるので忘れずに行います。備品の発注を忘れると業務が円滑に進まなくなります。リース品のレンタル期間の調整を忘れると、必要な資材や器材を借用できなくなります。

事務作業で必要になるスキルとは

パソコンを使用した業務がほとんどですが、現場の職人や大工の要望をヒアリングすることや、業者や顧客とコミュニケーションをとることもあるので、コミュニケーションスキルは欠かせません。

基本的なパソコンスキル

パソコンは仕事で必要なので問題なく操作できるようになりましょう。プレゼンテーション資料の作成や複雑な計算などができるように練習しておくことが大切です。就業してからスキルを身に付けるのは大変なので、少しずつ準備しておくことが大切です。

CADスキル

施工図の作成に携わるのでCADスキルはあったほうがよいでしょう。効率よく業務に取り組めるようになります。無料でソフトをダウンロードして勉強できるようになっているので慣れておきましょう。

コミュニケーションスキル

自分だけで黙々と取り組む仕事もありますが、関係機関との調整や顧客の要望をヒアリングするなどの仕事が中心となります。そのため、コミュニケーションスキルは欠かせないでしょう。人と話すのが好きでなくても構いませんが、業務に支障がある場合は克服する必要があります。職場内外で良好な人間関係を構築するためにスキルアップに取り組みましょう。円滑にコミュニケーションがとれるようになると、仕事も順調に進むようになります。

まとめ

さまざまな業務を担当することになるので、パソコンスキルやコミュニケーションスキルも大切ですが、仕事の進め方がうまくないといけません。自分のペースで淡々と取り組める仕事ではなく、常に外部環境の影響を受けるのでストレスを抱えることもあるでしょう。しかし、現場や顧客を支えているやりがいのある仕事なので、仕事で必要になるスキルを就業前に身に付けておきましょう。

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