店舗デザイナーの仕事内容とは?やりがいや年収を解説

公開日:2024/02/15   最終更新日:2024/01/04

店舗デザイナーとは、物販や飲食店などのデザインを手がける専門家です。外観から内装、家具やファブリックまで総合的に設計し、魅力的な空間を創り出します。この記事では、店舗デザイナーの仕事内容、やりがい、そして年収についてくわしく解説します。店舗デザイナーを目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

店舗デザイナーの仕事内容

店舗デザイナーの仕事は、クライアントのヒアリングから始まり、要望やコンセプトをもとに内装・外装のデザインを行います。スケッチや3Dパースを駆使し、魅力を表現すると同時に、家具のレイアウトやファブリック、照明などの細部にも配慮します。プロジェクトの流れは以下のとおりです。

ヒアリング・打ち合わせ

クライアントの要望の丁寧なヒアリングとコンセプトの共有です。初回の面談では、クライアントが求めるイメージや店舗の特徴について具体的にヒアリングし、そのなかから重要なポイントを見極めます。また、コミュニケーションを深めることで、感性や好みについても理解を深めます。

デザイン設計図の作成

要望を基にスケッチやデザイン設計図を作成し、クライアントへの提案です。デザインの概要や素材、色彩を視覚的に表現し、クライアントに具体的なイメージを伝えます。提案段階では、複数のデザインバリエーションを提示し、クライアントとの意見交換を通じて最適なデザインを導き出します

プレゼンテーション・修正作業

提案を元にクライアントとの打ち合わせを行い、修正や調整を繰り返します。デザインのポイントや変更点について詳細な説明を行い、クライアントのニーズを的確に把握したうえでの調整です。柔軟かつ効果的なコミュニケーションを通じて、クライアントの期待に応えるデザインを完成させます。

施工業者選定・資材購入

実際の施工を担当する業者の選定と必要な資材の調達です。信頼性や技術力を重視し、プロジェクトに最適な施工業者を選定します。資材の調達では、品質やデザインにこだわりながら、納期や予算も考慮に入れ、バランスの取れた計画を進めます

現場監理、作業

工事現場での監理や作業進捗管理を担当し、デザインの実現を確認します。施工スケジュールの遵守や品質管理に細心の注意を払い、トラブルの発生を最小限に抑えながらデザインコンセプトを具現化する作業です。同時に、職人との円滑なコミュニケーションを図り、プロジェクトの進捗を円滑に進めます。

引き渡し・アフターフォロー

工事が完了したらクライアントへの引き渡しとアフターフォローです。引き渡し時には、クライアントにデザインのポイントやメンテナンスに関する情報を詳細に説明し、安心して店舗を運営できるようサポートします。

また、アフターフォローでは、運用開始後に生じるさまざまな課題や要望に迅速かつ丁寧に対応し、長期的なクライアント満足度を確保します。この流れを通じて、クライアントの理想を具現化し、魅力的な店舗空間を創り上げるのが店舗デザイナーの仕事です。

店舗デザイナーと空間デザイナーの違い

店舗デザイナーは店舗に特化した空間デザインを手がける一方で、空間デザイナーは屋内外を問わず一定の空間のデザインを行います。そのため、対象とする空間に大きな違いがあります。

店舗デザイナーは、商業空間における戦略的なデザインが求められる一方で、空間デザイナーはより幅広い範囲での設計が必要です。

店舗デザイナーは、商品陳列や販促戦略を考慮しながら、商業空間全体の魅力を引き立てるデザインを追求します

店舗デザイナーの年収はいくら?

店舗デザイナーの年収・給与は、個人の経験、スキル、および仕事量に大きく影響されます。以下は、店舗デザイナーの一般的な年収の目安です。

1年目:200万円~250万円

デビュー時の年収は、まだ経験が浅く、プロジェクトの規模も小さいことが一般的です。この段階では、基本的なデザインスキルを身につけ、実務経験を積むことが求められます。クライアントとの信頼関係を築く重要な期間でもあります。

5年目:250万円~600万円

5年目に差し掛かると、実績やスキルが向上し、より大規模で複雑なプロジェクトに携わることが増えます。年収も上昇し、一定の安定感を得ることが期待できる時期です。同時に、独自のデザイン哲学やクリエイティブなアプローチが評価されることがあります。

10年目以降:400万円~

10年目以降は、専門的なスキルや経験が豊富になり、高度なデザインプロジェクトに携わることが増えます。独自のスタイルやブランドを確立しているデザイナーは、高額なプロジェクトやクライアントとの契約により、年収が400万円以上になることもあります。

独立している場合、クライアントの信頼を勝ち取り、プロジェクトを引き受ける能力が必要です。ただし、独立やフリーランスとして働く場合は、これらの数字に拘束されず、プロジェクトやクライアントによって柔軟に収入が変動します。

とくに大手デザイン事務所や独自のブランドを築いているデザイナーは、高いプロジェクトの機会が得られ、収入の幅が広がることがあります。総じて、店舗デザイナーの年収は経歴や実績に大きく依存しますが、専門性や独自性を発揮し、積極的にキャリアを構築することで、将来的には収入の向上が期待できる職種です。

店舗デザイナーとしてのやりがいとは?

店舗デザイナーとしての仕事には多くのやりがいがあります。

まず第一に、自らのアイディアやクリエイティブなスキルを活かし、実際の空間に形を与えるプロセスの充実感です。顧客やクライアントの要望を聞きながら、それを視覚的なデザインに昇華させる過程は、独自のアート作品を生み出すような感覚を味わえます。

また、デザイナーが手がけた店舗や空間が実際に形になり、人々に利用される姿を見ることで達成感を得られます。設計図やデザインのアイディアが具現化され、多くの人々に影響を与える一端を担えることはやりがいのひとつです。

さらに、店舗デザインはビジネスにおいても重要な要素です。販売促進やブランドイメージの構築など、戦略的なデザインが求められます。そのため、デザイナーはクリエイティブな側面だけでなく、ビジネス戦略にも深く関わり、企業や店舗の成功に繋げられるのです

また、プロジェクトごとに異なる課題に直面することで、自らのスキル向上にも繋がります。新しいトレンドやテクノロジーの導入、クライアントのニーズへの適応など、常に変化する環境への挑戦で、デザイナーとしての幅広いスキルセットを磨けます。

最後に、デザイナーとしてのアイデンティティを確立し、他の専門家やクリエイターとの連携も魅力のひとつです。建築家や照明デザイナー、クライアントとの協力を通じて、チームとしてプロジェクトに携わり、より大きな成果を生み出せます。

総じて、店舗デザイナーとしてのやりがいは、自身の創造力を発揮し、社会に貢献することが期待される一方で、多岐にわたるスキルの磨き直しや異なる分野との交流を通じて、成長と充実感を追求できる職業です。

まとめ

店舗デザイナーは、クライアントの夢やビジョンを形にし、魅力的な店舗空間を創り上げる重要な役割を果たすプロフェッショナルです。その仕事の魅力やプロセス、必要な能力やスキル、そして学びの方法についての理解は、将来的なキャリア形成に役立つことでしょう。店舗デザイナーを目指す人にとって、SDC(Store Design College)は理想的な学びの場となり、実践的なスキルやクリエイティブなアプローチが身につきます。

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