建築設計業の転職エージェントから学ぶ退職交渉のコツ

公開日:2021/05/01  


建築設計業として働いている方で、今の職場から転職を検討している人は多いです。建設業は現場での仕事も多くまとまった時間が取りにくいですが、退職すれば職場に迷惑をかけることになるため、事務手続きや関係者とのコミュニケーションが必要です。今回は建設設計業の転職エージェントから退職するための退職交渉のコツを学んでいきましょう。

退職交渉のタイミングは内定後に早めに行う

建築設計業は現在売り手市場であり、面接の通過率は高いため経験やスキルのある人であれば、他業種と比較しても建設業界は転職をしやすい環境にあるといわれています。そのため建築設計業の方が転職決定する前にかかる時間は約30~35日、長くて40日程度なのでそこから2ヶ月ほど現職の仕事の引き継ぎを行っていき、最終的に3ヶ月ほどで次の職場への転職が行えるといえます。

転職エージェントが教える退職交渉を行うタイミングは、転職先の内定通知をもらってから行うことが大切だとされています。これは内定が出る前に退職交渉に入ってしまった場合、万が一転職活動が難航した場合に困ることになるためです。転職先が内定したらまず行うべきなのが退職希望日を決めて、その2ヶ月前に話を切り出す必要があります。

一般的に退職交渉は2週間前、多くの会社の就業規則上は1ヶ月前に行うことが民法上で決められています。これは新任者の採用活動などすべき業務があることや、建築設計業の場合は引継ぎに時間がかかりやすいことか目安として2ヶ月前に申し出た方がよいです。今までお世話になった会社への負担を最小限にするためにも、迷惑はかけないように心がけましょう。

退職の報告はまず誰に行うべきか

建築設計業の転職エージェントによる退職交渉のコツの一つに、退職を希望するという話を誰に最初に行うかというポイントがあります。退職の話は必ず直属の上司に話を行うことがマナーの一つであり、さらに上の上長や同僚、そして部下に対して伝えてしまうとスムーズに退職が行えない可能性が出てきます。

繁忙期など忙しい時期に大切な話をするのはじっくり話し合いを行えない可能性があるので、前もって相手に相談したいことがあると伝えておき、静かな会議室など落ち着いた環境で相談を行うことが重要です。どうしても時間が取れない場合は、タイミングも必要となるので最初はメールで最初の報告を行うこともひとつの手段となります。

一般的に退職届を提出するのは、いきなり提出するのではなく二回目以降に提出することが必要であり、上司への伝え方としては対面で行うことがベストです。もし切り出しにくいという場合に限り、まずはメールでアポを取るとスムーズですし、上司との信頼関係に関わることであると同時に人事に関わる重要事項なのでメールですべてを済ませることは避けましょう。

退職時のトラブルを避けるためのコツ

転職エージェントが教える退職交渉のコツの一つに、退職時のトラブルを避けるためにも退職理由には気をつけることが挙げられます。退職交渉の際に理由を聞かれることがありますが、直接的に会社に対する不満を伝えてしまうのは、それを改善するので辞めないでほしいといわれる原因となりがちなので、ネガティブな理由である給与の安さや福利厚生や待遇への不満といったことは伝えないことが基本です。

こういった場合、相手から昇進や昇給などのカウンターオファーを出される可能性もあり引き止めにあう恐れが出てくるので、面倒な話し合いを避けるためにも退職理由はあらかじめきちんと話しておくことが大切です。

退職の理由としては、相手が納得してくれるような事情や、個人的かつキャリアアップなど前向きな事情を話すと、上司も改善策の出しようがなくなるので引き止めづらくなります。このように会社側に交渉材料を与えないことや、今の職場を退職し、新しい会社へ転職する意思があることをきっぱりと伝えることが円満退職へのコツです。

退職を引き止められた時に行うべき対処とは

建築設計業において退職交渉中に万が一引き止めに合った場合は、まず相手から何をいわれても自分は退職をするのだという強い意思を持っていることを示すことが大切です。建築設計業において恩のある上司や先輩から引き止められると、気持ちが揺らいでしまうという方も少なくありませんが、カウンターオファーがあっても退職理由を複数用意しておき自身のキャリアアップのためや、家庭の事情などやむを得ない事情を伝えることが大切です。

立ち入った事情であればいくら恩のある上司であっても深く干渉しにくくなるためです。もし面談などで話し合いが平行線になった場合は、その場で結論が出せないなら1日考えさせてほしいと伝えて一旦持ち帰るのも一つの方法です。

翌日によく考えた上で意思が変わらないということをきちんと伝えれば、徐々に諦めてくれるので基本的にこの作業を繰り返しましょう。また交渉時にはいつ、誰とどのような話をしたのかなどをしっかり記録に残すことも大切です。とくにメールのやりとりは交渉時に必要な証拠になるので、言った言わないの平行線になった際にトラブルが起こらないためにもログとしてきちんと残す必要があります。

トラブルが起こったら転職エージェントの力を借りよう

通常退職交渉は1~2回話し合いを行えばまとまる事が多いですが、職場によっては5~6回行っても話がまとまらず平行線になってしまう場合があります。こういった状況は時間がもったいないですし何より精神的な負担がかかってきます。何かトラブルや難題が生じた際には、相談をしている建築設計業の転職エージェントに必ず伝えることが大切です。

建築設計業に精通している転職エージェントは、今まで対応してきた他の転職者の事例や法律的な部分をふまえた適切なアドバイスを行うので、どのように対処すべきか親身に対応してくれる強い味方でもあります。スムーズな退職交渉を行うためには、あらかじめ転職エージェントに相談をしておき随時状況を知らせておくとその都度必要な対処法を教えてくれるので安心です。

法律的に解決する必要が出てくる可能性もあるので、今までの交渉で用意してきた証拠などをまとめておくと、よりスムーズに退職交渉を進めていくことができるようになるので基本は転職エージェントのアドバイスを参考にしましょう。

引き継ぎもマナーを守り円満退職を目指す

建築設計業で転職を行う場合最低限のマナーとして、お世話になった会社への負担を減らすことを心がける必要があります。官公庁の工事事案は1~3月に固まるので、その案件が終了した段階を目安に転職を行うと、仕事の引き継ぎも比較的スムーズに進められます。

引き継ぎにもマナーがあり、どの案件をいつまでに、誰に引き継ぐのか計画を立てるためにあらかじめ引き継ぎシートを用意しておくことが大切で、退社まで手を抜かずに責任を持って仕事を行うためにも後任の人への引き継ぎはなるべく余裕をもって行いましょう。また気をつけるべきなのが有給休暇で、せっかくの権利なので退職の前には有給を消化させたいと考えている方も少なくありません。

しかし業務の引き継ぎが完了していないのに有給消化をするのはマナー違反なので、有給を消化したい場合は早めに上司に相談をして引き継ぎのスケジュールを引いた上ですべて完了した時点で有給消化に入るなど計画を立てる必要があります。これらの対処を行うことで安心して円満退職が行えるようになります。

 

建築設計業の方で転職を考えている場合、退職を申し込んでも会社側がスムーズに受け入れてくれるかはわかりません。円満退職を目指すためにも、建築設計業の転職エージェントによる退職交渉のコツを把握して、話をするべき人や退職理由、引き継ぎをスムーズに行っていくといった適切な対処を行っていくことが重要になります

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