設備設計一級建築士ってどんな資格?何ができるのか徹底解説!
設備設計一級建築士とは、どんな資格なんだろうかと疑問に思っている方も多いかもしれません。実は一級建築士とは違い、携われる仕事の内容が違うのです。そこで今回は、設備設計一級建築士はどんな資格なのかなどについてご紹介します。将来、設備設計一級建築士になりたいと思う方、仕事の内容に興味がある方の参考になれば幸いです。
設備設計一級建築士とは
設備設計一級建築士とは、耐震偽装問題により建物の安全性を確保する構造設計と設備設計についての専門家でもあるので、設備設計一級建築士が確かめる体制の環境を整えました。
また一級建築士より、さらに格上の資格であるので、それらの建築設備の全般に関する知識や技能を持っているという証になります。また建築設備士は、建築設備設計・工事監理について建築士に対してアドバイスを伝えることが可能ですが、建物の建設は行うことはありません。
設備設計一級建築士の仕事内容
設備設計一級建築士は、世間からは「設備設計界のプロフェッショナル」とも言われています。一級建築士の中でも格上の資格でもあり、設備設計一級建築士という資格を持っているともなれば、さまざまな業務に関われることがあります。どんな仕事の内容なのかをご紹介しますね。
もくじ
施工現場、高度な専門スキルが必要とする仕事の内容も?
施工現場でも、技術指導や設計図面の照合をする設計管理などを行います。さらに設備設計一級建築士は、階数が3階以上に加えて床面積の合計が5,000平方メートルを超える建物の設備設計では、電気設備設計や、機械設備設計についての技術の指導者として必要であると言われています。
例えば、設備設計一級建築士の資格を持たない一級建築士が、設計を行った場合は、再び設備設計一級建築士による適合の確認をしなければなりません。また、高度な専門スキルを必要とする建物についても、設備設計一級建築士による設計の作業が必要だと言われています。
設備設計とは設備設計一級建築士になるメリット
設備設計一級建築士になるメリットとは、どんなことなのでしょうか。設備設計一級建築士の社会的ニーズ、年収や待遇面などのポイントからご説明します。
設備設計一級建築士は社会的ニーズが少ないって本当?
設備設計一級建築士は社会的ニーズが少ないと思われがちですが、決してそうではありません。2000年代に耐震偽装問題が起こって以来、年々建物の安全性への要請は高まっているのが事実です。
そのため、設備設計一級建築士としてのニーズが高まりつつあり、資格を保有している人を優先採用する、優遇するという記載がある求人も多くなっています。2018年に建築法が改正され、一定規模(階数3階以上に加えて床面積の合計が5,000平方メートル超)の建物に設備の建築を設計する際には、設備設計一級建築士が設計を行うか、適合性を確かめることが義務化されています。建築の設備全般に対する知識、技術によって建築士にアドバイスをすることが可能です。
また現在では約6,000人の方が修了していますが、この中のうち約2,700人は資格を創設した時(2008年)に取得された方々なので、資格を保有している若手はとくに貴重といえます。最近、資格を取得した若手の設備設計一級建築士は、きっと重宝されるでしょう。
設備設計一級建築士の年収や待遇面はどうなの?
設備設計一級建築士の年収は、約700〜1,000万円ほどだとも言われています。厚生労働省が公表しているとある年の賃金構造基本統計調査のデータによると、平均年収は約700万円となっていました。また、設備設計一級建築士の資格を持っていると、建設会社や設備メーカーなどの中には、一級建築士より高額な資格手当を支給している会社が多くあります。
また資格手当がつくことで、年収をアップさせることもでき、昇進や昇格の待遇上のメリットも大きいと言えます。結論を言うと、設備設計一級建築士の資格を持っていることでほぼデメリットになることはなく、メリットになることのほうが多いでしょう。
設備設計一級建築士になる方法
設備設計一級建築士になるには、いったいどんな方法があるのでしょうか。簡単に説明するならば、経験を重ねる、講習会を受講、試験に合格、交付の申請など4つのことをしなければなりません。順番を追ってご説明していきます。
まず、設備設計の経験を重ねることが大事!
まず設備設計一級建築士になるためには、一級建築士として、設備設計に関する作業の内容を5年間の経験を重ねることが必須になっています。一級建築士の資格を取得する前に、建築設備として携わった作業も業務の内容に含めることができます。
さらに設備の設計作業や建築設備の工事監理作業、建築設備の審査作業なども業務経験に含むことができます。しかし、建築設備の設計に加えて工事監理の補助作業については、2013年の秋頃からは業務経験の対象外になり、業務履歴に含めることができなくなりました。
また、設備設計の業務の内容に5年間携わったという証明を行うために、携わった設備設計業務の内容と期間を記載した業務経歴書、業務経歴の内容を第三者に証明するために、業務経歴証明書を提出することが必要になってきます。
国土交通省の登録された講習会を受講すること
一級建築士は設備設計に関する作業に5年間の経験を重ねると、講習会の受講の資格を得ることができます。実務の経験を重ねたのち、国土交通大臣の登録された登録講習機関で講習を受けることになります。必要な書類とともに申請を行いましょう。
また講習会は三日間の予定で組まれています。さらに講義の内容は電気設備、空調や換気の設備、給排水衛生設備や建築設備関係の法令、法適合の確認、建築設備設計の総論などを学びます。
講習会を受け、試験に合格すること
設備設計一級建築士の講習会の過程は、三日間の講義を受け、最終日の一日を使って修了考査を受ける予定が組まれているようです。修了考査という名前の試験を受け、合格すると設備設計一級建築士の資格を取得できます。
最後、忘れずに交付を申請すること
法適合の確認業務などの仕事に携わる際には、試験に合格したという証が必要となるので、公益財団法人建築技術教育普及センターで、設備設計一級建築士証という修了証明書の交付を申請してもらいましょう。
申請を行ってから二ヶ月ほどで、設備設計一級建築士証が交付されます。講習会の修了考査から一年後までが、交付できる有効期限として決められています。せっかく受けた試験の結果が無駄にならないように、修了後は早めに申請を行うとよいでしょう。
まとめ
今回は、設備設計一級建築士とはどんな資格で、仕事の内容や資格を持っていることでメリットがあるかについてご紹介しました。一級建築士と設備設計一級建築士では、携われる仕事の内容が違うことがわかりましたね。受験資格では、設備の設計に関する経験を5年間重ねることが必要になります。
資格を持っていると、工事管理や施工管理のプロフェッショナルとしてのニーズが高いというメリットがあり、キャリアを築くためのステップアップとしても役に立つでしょう。さらに資格を取得することで、年収がアップする可能性もあります。資格を持っていることでデメリットになることはありません。一度、キャリアアップに興味がある方は、設備設計一級建築士になることを考えてみてはいかがでしょうか。