建築設計業界において危険物取扱者の資格は転職に有利なのか

公開日:2023/02/15   最終更新日:2024/06/19


危険物取扱者の資格を保有している人や、これから資格を取得しようと考えている人に、今回の記事はおすすめです。資格を取得していると転職に有利になるでしょう。建築設計業界では、危険物物件の建築や補修などの機会があるからです。そのような物件を担当するときに慌てないように知識を蓄えておきましょう。

危険物取扱者の基本的な仕事内容

ここでは、危険物取扱者の基本的な仕事内容を紹介します。専門的な仕事に従事することになります。

保守点検や管理が中心

危険物の取扱や定期点検などが主な業務です。甲種、乙種、丙種の3種類に分かれています。甲種は第1類から第6類まで取り扱うことが可能です。乙種は免状が指定されている種に限定されるので、指定されていない類は取り扱えません。丙種は第4類のうち一部のみ取り扱えます。そのため、資格の種類により業務内容が異なっています。

危険物を取り扱う施設で働く

ガソリンスタンド、化学工場、タンクローリーの運転などの危険物を取り扱う施設で勤務することになります。そのような施設では資格を保有している人が在籍していなければいけないので、企業が求めている人材になります。

危険物取扱者の資格は建築でも役に立つ?

一般的な物件だけではなく製造所などを建設するときがあるでしょう。そのようなときに、危険物の知識と技術が求められるようになります。

危険物施設の種類

製造所、貯蔵所、取扱所の3つの種類があります。製造所は、工場などの危険物を造る施設です。貯蔵所は、オイルタンクなどの危険物を貯める施設です。取扱所は、発電機室などの危険物を扱う施設です。これらの施設のほとんどは重要な施設と位置付けられているため、災害時や有事の際に優先して防護される場所となっています。その理由は、そのような施設が被害を受けた場合に、市民に及ぼす影響が大きくなるからです。

危険物物件と接点がある

設備設計のときに危険物物件を担当する機会があると、危険物の知識と技術が求められるようになります。一般的な物件では危険物の知識や技術がなくても対応できるので、資格を保有する必要性を認識することはほぼありません。また、危険物について学習する機会が乏しいので、自主的に学習しない限り知識をインプットできる機会が限られています。

しかし、危険物物件を担当すると、消防署と連携しなければいけないことや、余裕を持って工事計画を立てなければいけないことなどを思い知ることになります。生涯危険物物件を担当しないとも限らないので、早めに資格を保有しておきましょう。

できる限り早期に資格を取得しよう

電気設備にも機械設備にも危険物の知識が必要になります。危険物物件を担当するときだけではなく、学習を進めていくと設備面でも知識が求められていることが分かります。そのため、実務能力を向上させるために早期に資格を取得しましょう。また、危険物物件を担当することになっても慌てずに済みます。

乙種と丙種がおすすめ

乙種は一番人気がある試験です。丙種は危険物全体の80%を占めるのでおすすめです。甲種は難易度が高くて学歴などの制限があるので簡単に受験できませんが、乙種と丙種は年齢も学歴も関係なく受験できます。

【番外編】建築設計以外で募集の多い仕事は?

建築設計以外で募集の多い仕事はなんなのでしょうか。

ドライバー

タンクローリーを運転できる人は、危険物取扱者になっています。トラックドライバーにこちらの資格は必須ではありませんが、資格を保有している人は有利になります。企業はタンクローリーを運転できる人を求めているからです。大型免許と両方保有している人は応募してみるのもよいでしょう。

ビルの設備管理スタッフ

商業ビルやオフィスビルなどの管理を行うスタッフになるために必須の資格ではありませんが、資格を保有している人は有利になります。取り組める仕事の幅が広がるので転職を考えている人は参考にしてください。

発電所の保守員

発電所の設備を点検するスタッフとして勤務するときに、危険物の知識が求められることがあります。また、実際の作業で危険物を取り扱うこともあるので、発電所で実務経験を積んで電気主任技術者などの専門職に抜擢されることもあります。活躍できるフィールドが広がるのでやりがいにつながるでしょう。

ガソリンスタンドのスタッフ

ガソリンや灯油などを扱う職場なので、必ず危険物取扱者を配置しなければいけません。正社員の条件として指定されていることもあります。アルバイトでも資格を保有していると待遇面で配慮されて、時給アップにつながる可能性があります。

消防士

火災が発生している現場に駆けつけて消火活動に携わる業務では、火事を引き起こしている危険物の特性に応じた消火活動を行わなければいけません。そのためには危険物の知識を持っているだけではなく、それを取り扱う技術も求められています。また、消防士は消火活動だけではなく、火災を未然に防止するための予防業務も業務の1つとして位置づけられています。そのため、そのような建物を建築するときには、書類審査や検査なども行うようになっています。

資格・知識の広さは仕事の選択肢が増える

資格と知識があれば、仕事の選択肢が増えます。資格を保有していると有利ですが、目先の利益だけではなく、自分の仕事が評価されてそれが適切に反映されることに喜びを感じるでしょう。

危険物取り扱いの知識が増える

試験勉強で危険物取り扱いの知識が増えます。そのため、仕事に直結する知識が身に付くので、仕事のレベルが向上します。また、試験に合格した後は定期的に講習に参加するようになっています。そこでも知識のブラッシュアップが期待できるので、さらに知識が増えます。日々の業務に取り組むだけではなく、自発的に学ぶようになるので本質をとらえられるようになります。仕事にも充分に活かせられるので勉強しましょう。

給料がアップする

資格を取得している人とそうではない人を比較すると、給料の部分で差が生じるのが一般的です。その理由は、企業に貢献できる度合いが異なるからです。危険物取扱者の資格を取得していると、業務に従事できるだけではなく責任を取れるようになります。

そのため、企業側からすると多くの責任と権限を与えられます。社員は与えられた責任と権限の範囲内で企業に貢献するので給料がアップします。資格を取得していないと、そのような業務に従事できません。そのため、企業が本来求めている業務を担当していないので、資格を取得している人よりも給料が少なくなります。

就職先の幅が広がる

大勢の人が資格を取得していないので、希少価値が高いのが特徴です。また、建築設計以外の業務に従事することも可能なので、就職先の幅が広がるでしょう。また、応募者の人数と比較して求人数が充分に確保されている場合がほとんどなので、資格を保有しているのに応募できないということがありません。需要と供給のバランスが保たれているので、資格を充分に活かして就職先を選択できるでしょう。

また、就職先の幅が広がることで、丙種や乙種から甲種の試験に挑戦してスキルアップを目指すことも可能です。危険物施設は全国の至るところにあるので、全国に求人があるのも魅力的です。

まとめ

建築設計業界だけではなく、さまざまな業界で危険物取扱者の資格が求められています。そのため、転職に有利であることは間違いありません。また、資格を取得しているだけで給料がアップすることが考えられます。そして、危険物物件を担当する機会に恵まれることもあるでしょう。日常的に行う設備の業務でも知識や技術が求められているので、業務能力の向上に努めたい人におすすめの資格です。乙種と丙種は受験資格がないので受験しましょう。

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