建築設計向けの転職エージェントを活用するデメリット

公開日:2019/02/18  

キャリアアップのために転職をしたい場合には、自分で求人情報を収集して入社試験の準備をする方法があります。

最近は職場を変える際に、転職エージェントのサポートが活用できます。

サポート内容には希望する条件の仕事を紹介する他に、キャリアプランの提案や就職試験のアドバスが受けられる場合があります。

転職エージェントを活用することにはメリットがありますが、デメリットも存在することを理解しておきましょう。

 

年収額が少ない小規模な設計事務所に紹介してもらいにくい

転職エージェントを利用すると、規模が大きくて年収額が高い案件が優先的に紹介される傾向があります。

経験が浅い建築士が年収額の低い小規模なアトリエや設計事務所に就職をすることを希望する場合には、そのような職場を紹介してもらいにくくなるという点でデメリットとなります。

この理由は、求職者が仕事に就く際に雇用する側の企業からエージェントに報酬が支払われる仕組みになっているからです。

建築設計業界であれば、企業がエージェントに支払う報酬の相場は契約時の年収の約3割です。

報酬システムの関係で、年収額が大きい(商品価値が高い)案件を優先的に扱われます。

中には小規模で報酬額が少ない設計事務所やアトリエなどの案件も多く扱う会社もあるので、希望する会社の規模や種類に応じて選ぶことが大切です。

雇用する会社は高額の報酬を負担しなければならないので、エージェントを通さずに応募をした方が有利になるように思われることがあります。

しかし、エージェントを活用して入社した人の方が短期間で退職をするケースが少ないことから、直接応募して採用試験を受ける場合よりも有効な手段と言えます。

学歴や職歴ごとに紹介してもらえる会社が限定される

一般的に、転職エージェントは雇用契約が成立した場合にのみ企業から報酬が支払われます。

契約が成立しなければ、エージェントは1円も報酬を受け取ることができません

このことは、建築設計業界でも同じことがいえます。

求職者が無事に入社を果たして仕事を始めないと、それまでに費やされた労力や費用が全て無駄になってしまいます。

エージェントは雇用契約を成立させることが仕事なので、求職者の学歴・職歴に応じて入社ができるレベルの会社を紹介する傾向が見られます。

求職者が背伸びして難易度の高い会社に応募することを希望しても、募集案件を紹介してもらえないケースがあります。

向上心が強くてハイレベルな職場にチャレンジをしたい方は、自分で直接応募をした方が良いでしょう。

紹介してもらえる会社が限定されることをデメリットに感じる方もいますが、考え方によってはメリットでもあります。

本人の学歴やスキルの範囲内で相応の職場を紹介してもらえるので、転職活動が成功する可能性を高めることができます。

転職エージェントを上手に活用すれば、自分の能力に見合った範囲内で条件の良い会社を見つけることができます。

入社時に職種や配置部署・業務内容が決められる場合がある

建築設計は専門性が高いという特徴があり、ある程度の規模の会社であれば建築士の仕事が分野別に細かく分けられています。

転職エージェントを通して会社に入社する場合には、採用後の職種・役職・配置部署などが既に決定されているケースが多いです。

大学を卒業して会社に入社する場合には、研修を受けながら配属先の希望を伝えることができます。

必ずしも希望する部署に配置されるとは限りませんが、新卒であれば本人が希望する分野で仕事を始められるケースがあります。

これに対して転職エージェントを通して採用が行われる場合には即戦力としての人材が求められるので、仕事内容や部署を自由に選べないというデメリットが存在します。

これは特定の分野の仕事を希望する場合に、自分がしたい仕事ができるような会社に入社をすることができるという点ではメリットといえます。

なぜなら、入社時点で職種や仕事内容・役職などが約束されていることを意味するからです。

採用後に希望していなかった部署に配置されたり、違う役職で収入が少なくなってしまう心配がありません。

採用後の配置部署や、仕事内容・地位などが保証された状態で入社をすることができます。

経験・知識不足のエージェントだと転職に失敗する可能性がある

高度な専門性が求められる建築設計では自力で転職活動をするよりも、プロのエージェントを活用した方が転職活動を有利に進めることができる場合が多いです。

ただし本人の学歴・キャリア以外にも、紹介を行うエージェントによって転職活動の成否に影響が及んでしまうというデメリットがあります。

人材を求める企業の担当者は採用試験を受ける求職者の人間性やスキル・経験に加えて、紹介をするエージェントを見て採用を行うかどうかを判断するケースがあるからです。

過去に紹介されて入社した人材に不満を感じている会社であれば、同じ人が紹介する人を採用することに消極的になってしまう恐れがあります。

そのような場合には、自力で転職活動をした方が良いでしょう。

逆に優れた人材を多く紹介してくれたエージェントは企業側の採用担当者に信用されており、このことは求職者にとって有利に働きます。

例えば面接試験などの際に本人が自己紹介をしたり質問に答える際に失敗をしたとしても、会社に信用されている有能な転職エージェントの“顔”により無事に採用試験を通過することができたというケースがあります。

採用試験対策のサポート内容に違いがある

転職エージェントのサービスは、人材を求めている企業と仕事を求めている求職者の仲介をする仕事です。

求職者の希望やキャリア・スキルなどに応じて職場を紹介するマッチングを行い、企業の採用担当者との間で調整を行います。

マッチングという基本的なサービスに加えて、採用試験に備えをするためのサポートを行う会社があります。

中には履歴書や職務経歴書などの提出書類の作成方法のアドバイス・添削指導や、面接のコツやトレーニング(模擬面接)などが実施される会社も存在します。

これらの付加的なサービスの内容は、会社ごとに違いがあります

採用試験対策のためのサポートで採用試験の結果が左右されることもあるので、建築設計専門の転職エージェントを選ぶ際は会社ごとにサービス内容を比較して選ぶことが大切です。

もしも自分が登録をした転職エージェントで面接のためのサポートが受けられないと、採用試験の際に不利になってしまうというデメリットがあります。

最近は建築設計業界で重視されるスキルのひとつとして、コミュニケーション能力が挙げられます。

コミュニケーション能力を伸ばすためのセミナーに参加をしたり、個人的に担当エージェントからのアドバイスを受けることで、ワンランク上の会社に就職ができる場合があります。

建築設計専門の転職エージェントの選び方とは?

建築設計業界で転職エージェントを通してキャリアアップをしたい場合には、この業界に精通して多くの実績を誇る会社に登録をすることが大切です。

建築設計に特化した会社を利用すると、自分が希望する条件に近い建設会社や設計事務所を紹介してもらえます。

建築設計業界に精通していることに加えて、採用試験対策のために手厚いサポートが受けられる会社を選ぶことも大切です。

中には無料で履歴書・職務経歴書の書き方のアドバイスや添削指導を実施したり、模擬面接を実施して個人的にアドバイスをしてくれる転職エージェントがあります。

建築設計の技術者は理系学部の出身者で、コミュニケーションを苦手とする方も少なくありません。

転職活動中に専任のエージェントからコミュニケーション能力を伸ばすための指導やアドバイスをしてもらえば、より条件の良い会社に入社をすることができるでしょう。

転職エージェントの選び方次第で転職の成否が分かれてしまう場合があります。

キャリアアップをするためには、建築設計に精通していて手厚いサポートが受けられるような会社を選ぶことが重要です。

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