今後の建設業界を変える資格!?「技士補」について徹底解説
建設に関わる資格は数多くあるなかでえも、近年では「技士補」という資格が注目されています。このあまり耳にすることがない「技士補(ぎしほ)」とは、どのような資格なのでしょうか?今回は「技士補」に焦点を当て、どのような役割が担えるのか、そしてメリットはあるかどうかなどを探っていきましょう。
新設された「技士補」とは?
「新・担い手三法」という法律改正を受けて、新しく新設されたのが「技士補」という資格です。「新・担い手三法」は、建設業に携わる労働者の確保・育成を目的とします。施工管理技士は国家資格のひとつで、施工管理技士には建設機械、土木、建築、電気工事、菅工事、造園などに対して個別に施工管理の資格を設定しています。学科試験の合格後、実地試験にも合格しなければ施工管理技士の資格は付与されません。
また施工管理技士は、さらに1級と2級が設定されています。この施工管理技士の技術検定の制度が見直されて創られた技士補という資格は、施工管理技士の試験で不合格だった場合でも、学科試験に合格していれば付与される資格とされています。施工管理技士をサポートするという意味合いから、管理技術者が2つの工事現場を兼任できるようになります。つまり技術者の不足を補うための制度として注目されています。
「技士補」が新設された理由
「新・担い手三法」という法律改正に伴って、新しく創設されたのが「技士補」という資格となります。この法律改正によって、学科と実地の両方の試験名称が変更され、第一次検定、第二次検定となりました。
そして技士補という資格ができたことで、学科試験に合格した者を工事現場責任の技術者にできるため、管理技術者不足の解消へとつながります。学科試験に合格すればやりがいのある仕事ができるので、試験に挑む人もいます。さらに実地試験をクリアすれば、技士補の上をめざせるので、モチベーションを維持しやすいです。
結論として技士補という資格が創られた理由は、建設業界の担い手を確保することが大きいでしょう。建設業の需要は続いており、これからも施工業務の発注が増える傾向にあります。そして建設業の機能を維持していくためには、十分な担い手の確保が必要不可欠であるといえます。けれど現状を見ると業界人口は減り続けており、担い手不足の解消は難しいでしょう。技士補の新設によって、担い手不足が少しでも解消されることが期待されています。
建設現場での「技士補」の役割
技士補になると、施工計画の作成や工程管理、品質管理、技術上の管理など工事を施工するものへの指導監督の補佐を行い、施工管理技士からの指導監督を受けながら職務を行います。
2級土木施工管理技士補の場合
2級土木施工管理技士補は補佐として経験をつんでいくと、資格手当がでることもあります。より広い業務を任されることもあり、第二次検定に合格すれば、2級土木施工管理技士として活躍できます。
1級土木施工管理技士補の場合
1級土木施工管理技士補は2級と違い、法的に関わる業務内容が定められます。1級土木施工管理技士のサポーターとして、現場での指揮・統率、土木工事の計画を立てることなどさまざまな業務のサポートをします。このように技士補という資格者が、管理技術者の配置義務を緩和させることになります。
今まで、ひとつの現場につき1級の施工管理技士をひとり配置しなければなりませんでした。しかし改正法が施工され、技士補という資格が増えたので、管理技術者は他の現場も兼任できるようになります。つまり人手不足を緩和することに役立つということです。
そして管理技術者は現場での作業が完了しても、デスクワークが必要となっていました。人手不足であったにもかかわらず、負担は増え続けていたということです。技士補が管理技術者の補佐として業務を行えるようになり、管理技術者の負担は軽減されています。若い人材が活躍できる環境が構築された大きなメリットでもあり、技士補という資格がどのような位置づけになるのかが興味深いです。
「技士補」の資格を取得する方法
国家資格である施工管理技士は、土木や建築、電気工事造、造園などそれぞれの工事に対して、個別に施工管理の資格を設定しました。施工管理技士になるには、学科試験も実地試験もクリアしなければなりません。この施工管理技士の技術検定の制度が変わり、技士補という資格が新設されました。
技士補は施工管理技士の技術試験において、技士として働く基礎となる知識をはかる第一次検定に合格すると取得できます。その後の第二次検定である実務検定に合格すれば、施工管理技士としての資格が取得できます。たとえこの実務試験に落ちたとしても問題はありません。
受験資格
土木施工管理技士補の試験の受験資格は、2級の場合、受験年度末に年齢が17歳であれば受験できます。1級の場合は、2級の第二次検定を取得している場合はすぐに受験可能となっています。2級を取得していない場合は、学校などに応じた実務経験の条件が必要になることがあります。試験は2級が年2回、1級は年1回となっており、チャンスはそれほど多くないため万全の体制で挑みましょう。
合格率
土木施工管理技士第一次検定の合格率は、1級も2級も約50%となっています。土木管理技士になれる第二次検定と比べると、合格率は約20%高いです。土木施工管理技士補は取得しやすいといわれているので、まずは第一次検定に挑戦しましょう。
技士補の資格を取得するための勉強法
それでは、技士補になるためにはどのような勉強法があるのでしょうか?
ひとつは過去問に取り組むことです。過去に出題された問題をしっかり把握し、問題傾向をつかむようにしましょう。マークシート方式なので、基本的な身につけることが大事です。そして繰り返し知識を確認することで、苦手な問題などが分かります。見直しを何度も行い、計画的な勉強をすることが望ましいです。
また自分の得意分野や苦手分野を知るために、まず各分野の問題に取り組み、自分の苦手な分野を克服するようにし、得意分野で点が取れるようにするのもよいでしょう。技士補になるためには第一次検定のみ合格すればよいのですが、できれば第二次検定に合格して土木施工管理技士をめざし、スキルアップをはかるのが望ましいです。
第一次検定でも応用問題などさまざまな問題が出題されているので、実地での経験を活かすことも大切です。人それぞれ勉強法というのはさまざまなので、自分に適した勉強法を見つけることが賢明です。たとえ優れた勉強法であっても、自分に合っていなければ余計にストレスになります。また経験者のアドバイスを得ることは、とても有益だといえるでしょう。
まとめ
今後の建設業界を変えるかもしれない「技士補」について解説しました。あまり馴染みがない資格かもしれませんが、技士補が新設されたことで、建設業界の人手不足が解消される可能性が大きくなるのは確かでしょう。簡単にいえば取得しやすい資格を増やすことで、取得者が増えれば人手不足の解消につながるということです。
まず技士補の資格を取得し、スキルアップして土木施工管理技士の資格をめざしましょう。比較的取得しやすい技士補ですが、基本的な知識を身につけておかなければ取得は難しいといえます。自分が苦手な分野や得意な分野は必ずあるので、しっかり把握して勉強することが望ましいです。技士補という資格に魅力を感じ、建設業界に若者が増えることが期待されます。