二級建築士の資格を持っていれば独立できる?転職したほうがいい?

公開日:2022/11/01   最終更新日:2022/09/28


二級建築士は、一般的な戸建住宅などを設計および監理できる国家資格です。取得後、建築事務所で働いているうちに、将来独立したいと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、独立は自分の責任のもとで行うため、不安はつきものです。そこで、二級建築士は独立できるのか、そして独立と転職のどちらを選ぶべきかについて解説します。

独立するメリット・デメリット

二級建築士として独立すれば、その日から社長(代表者)として働くことになります。私も社長になれると、喜ぶ方もいるかもしれません。しかし、独立にはメリットとデメリットがあります。

独立開業のメリット

二級建築士として独立した場合は、さまざまな面でメリットがあります。まず、独立すると、事務所の方針や目標は好きなように決められます。今までは、勤務先の方針や目標に従い、働いていました。しかし、独立すると自分の考え方が方針や目標になるため、今まで以上に働きやすくなるでしょう。たとえば、どのようなお客さんをターゲットにするのか、営業エリアはどこまで広げるかなどもすべて自由です。事務所の特色を前面に出すために、建物にこだわりを持ってもよいでしょう。

もちろん、働き方も自由に決められます。年間休日や休憩時間、そのほかの福利厚生も自由です。また今までは、収入に制限が存在していたはずです。基本給、昇給、ボーナス、残業代などはすべて勤務先の規定に沿っています。しかし、独立した場合は、社長となるため収入に制限はありません。もちろん、雇用した従業員の給与を決めるのも自分自身です。

独立開業のデメリット

独立というのは、メリットばかりではありません。たとえば雇用されていたときは、会社の業績が悪化してもある程度の給与などは保証されます。そのほかにも、社会をストップさせてしまう感染症をはじめ、災害時もできる限り雇用を守ってくれるでしょう。

しかし、独立した場合は、仕事が減った分、自分の収入に直接影響を与えます。解雇こそありませんが、売り上げが減り資金繰りが悪くなれば、収入だけでなく経営自体も危うくなるかもしれません。仕事がないとすぐに不安定になる点は、デメリットのひとつです。

また、逆も考えられます。手が回らないくらい忙しいときは、休み返上も珍しいことではありません。大型連休で従業員が休みともなれば、すべて自分で対応することになります。

さらに、独立時のスキルによって発生するデメリットもあるので要注意です。なぜなら、設計以外にも経営に関連したさまざまな業務がのしかかるからです。長い期間かけて経営を学んできた方は問題ないかもしれません。しかし、ある日突然、独立を思い立って行動を起こした場合は、勉強することが多いため、デメリットに感じます。

二級建築士が独立するのに必要なこととは

二級建築士が独立するためには、いくつかのことをクリアしておくことが大切です。資格を取得しておけば、確かに独立は可能ですが、すべての方が成功するとは限りません。

二級建築士になり経験を積む

そもそも、二級建築士にならないと独立ができません。建築学科の修了や規定された実務経験を経て、二級建築士の国家試験に挑みましょう。もし、現在建築士の資格を持っていなければここからがスタートです。二級建築士になれたら、次は経験を積みます。個人の設計事務所やゼネコンに就職し、5年以上を目安にして技術と知識を深めていきます。同時に考えておきたいには、独立したときのことです。自分の事務所の特徴が出せるような建物、顧客、経営方針も考え、運営方法も少し学んでおくと開業時に役立ちます。

開業資金の確保

独立するときは、開業する際の資金を働きながら貯めておきましょう。開業時は、事務所登録手続きをはじめ、店舗の賃貸料や備品購入費用、設備費用などが必要です。ただし、自宅を建築事務所として利用する場合は、店舗賃貸料は必要ありません。

会社を辞めて独立する

今までお世話になった会社をやめます。やめるときは、担当していた業務に支障がでないように、早めに伝えしっかり引継ぎをしておきましょう。今後、どのような形で前社と関わるか分かりません。トラブルを起こさず、背中を押してもらえるような円満な退社がベストです。退社後は、開業の準備に入ります。建築事務所協会に登録してもらい、備品などを揃えながら仕事ができるように整えます。また、税務署への開業届も忘れないようにしましょう。

営業活動

自分の事務所が開業できたら、次は営業です。今まで携わってきた設計などの実績をアピールしながら新規開拓を進めます。仕事が軌道に乗り、手が回らない状態になりそうなときは、従業員募集も忘れないようにしましょう。忙しいとはいえ、あまりにも仕事を断ると信用に傷が付きます。

ただし、従業員を雇う場合は、管理建築士にならないといけません。管理建築士は、実務経験3年上となっていますが、独立する前に建築設計会社などに3年以上働いていれば大丈夫です。

人脈

独立するうえで、重要なのは人脈です。協力会社をはじめ、得意先、弁護士、顧客などさまざまな人脈を築いておきましょう。とくに重要なのは、協力会社と得意先です。開業後すぐに新規開拓は難しいかもしれないので、仕事を依頼できる会社と仕事をもらえる会社を確保しておきましょう。

二級建築士が独立する手段になる!

建築設計事務所を開設できるのは、一級建築士だけではありません。仕事内容こそ違いますが、二級建築士でも充分独立する手段になります。ちなみに二級建築士の仕事は、設計業務と工事監理業務です。建築物については、木造建築(条件あり)をはじめ、石造り、鉄筋コンクリート造りなど既定の高さや面積内であれば設計可能です。開業資金を貯め、人脈などを築き上げておけば、二級建築士の資格と実績は、独立の手段になります。

転職か独立か…。独立に向いているのはどんな人?

二級建築士の方は、誰でも独立できます。しかし、準備を怠ると失敗する可能性もあるので要注意です。そこで、どのような方が独立に向いているのかを解説します。

独立に興味がある

独立に興味がある方は、独立に向いています。そもそも、独立をまったく視野に入れていない方は、勉強も準備もしないはずです。独立に興味がある方なら、日々の勉強も苦にならないうえ、独立という目標に向けて自主的に準備を進めていくでしょう。

勉強をしている方

さまざまな勉強をしている方なら、独立に向いています。設計は当然ですが、マーケッティング、営業、経営も独立には必要です。もちろん、毎日の仕事は忙しいと思いますが、空いた時間に少しずつ勉強したほうがよいでしょう。

貯金している方

独立する際は、ある程度のお金が必要です。たとえば、店舗、事務用品、電話、パソコン、コピーなどは最低限揃えなければいけません。また、どんどん顧客獲得を目指したい方はホームページ作成も視野にいれるでしょう。必要な金額は、それぞれ異なりますが、運営費用も含め500万円程度は用意したほうがいいかもしれません。

積極的に資格を取得する方

二級建築士という資格に満足することなく、さまざまな資格を取得する方は、独立に向いています。たとえば、インテリアコーディネーターや建築施工管理技士は、仕事の幅を増やす重要な資格です。もちろん、事務所が軌道になってから資格取得者を雇うという手もありますが、自分自身が取得した方が技術とともに知識も身に付きます。また、パソコンや経理など、設計に関係ないものも取得して損はありません。

まとめ

二級建築士の資格を持っている方は、独立と転職のどちらも選択可能です。ただし、独立の場合は、資金を含めた準備も必要です。まずは、設計事務所や建設会社などで働き、人脈を作り、実績を積みましょう。また、従業員を雇いたい方は、管理建築士も必要です。二級建築士として働くと、自分の考えが少しずつ整理されます。考えが整理されれば、独立までにやるべきこともはっきり見えてくるでしょう。

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