建築設計業界で働く前に!どんな企業が「ブラック」といわれているのか

公開日:2022/12/15   最終更新日:2023/01/11


建築設計業界で働く際には、押さえるべきポイントがたくさんあるでしょう。会社としての規模や自分ができること・やりたいこととマッチしているかも重要ですが、ブラック企業に就職しないよう注意が必要です。そこで、今回はどんな企業がブラックといわれているのか解説し、調査方法や就職した際の対処法を紹介します。

ブラック企業にありがちな特徴とは

ブラック企業に対する明確な定義はありません。主な特徴としてあげられるのは、社員を長時間労働で拘束する、達成するのが難しいであろうノルマを課す、賃金や残業代を適切に支払わない、セクハラ・パワハラで社員を追い詰める、体調不良でも出勤を強要するなどです。

労働条件・待遇が悪い

労働時間に関しては、過労死ラインというものが設定されています。厚生労働省によると、月の残業時間が80時間を超えてしまうと健康障害が起こりやすいといわれているのです。そのため、残業時間が80時間を超えている場合ほぼ間違いなくブラック企業と断定してよいでしょう。また、給与が最低時給を下回っている、残業しているのにみなし残業によって見合った給与を支払っていないというケースもあります。そして、長時間仕事に従事して確実な成果をあげているのにもかかわらず、昇給しない場合はブラック企業と疑う必要があります。

そのほかにも、年間休日が100日を下回っている、有給が取得できない、休日に呼び出されたうえに代休が取れない、冠婚葬祭に出られないなど、社員への待遇が著しく悪い点が特徴的です。パワハラやセクハラが見過ごされていたり、離職する人が多かったり、実際に体を壊して入院してしまったりする社員が出ていたりすると、労働環境が悪いといえるのです。会社の商品を買わされる、備品を自腹で購入させられるなど、金銭面でも負担をかけてくることが考えられます。

意見が通らない

ブラック企業に就職して、人を人と思わないような扱いをされたり、明らかに体に負担がかかるほど働かされたりすると、おかしいと声をあげたくなるでしょう。ただ、長くブラック企業に勤めている人にとっては、その過酷な環境が当たり前になっていることが考えられます。そのため、どんなに仕事やノルマを課せられて無理だと声を上げても、上司に意見することが許されない雰囲気になっている可能性が高いです。就業規則が整っていないため、どんなことをいっても「うちのルールにない」と言い訳されてしまうかもしれません。中には雇用契約を結ばない、違法な契約を結ぶというケースも存在します。

求人情報からブラック企業を見抜く力をつけよう!

就職してみなければブラック企業かどうか分からないと思うかもしれませんが、求人情報から見抜く方法もあるのでそれを説明します。まず、常に社員を募集している企業は離職率が高いことが考えられるため、ブラック企業の可能性が高くなります。そして、募集人数もチェックしてみてください。同職種の企業の募集人数と比べて、明らかに多い場合慢性的な人手不足だと予想されます。つまり、離職率が高いブラック企業の可能性があるのです。

職場の雰囲気がよいことを強調している

求人を見ていると「アットホームな職場です」「社員全員仲がいい」「仕事だけでなく遊びにも全力」など、魅力的な言葉を掲載している企業があります。ただ、求人情報にわざわざ職場の雰囲気がよいことを強調している場合、ほかに企業としての強みがなかったり、上司の無理難題が通ることをアットホームという言葉に置き換えていたりする可能性が考えられます。

条件面はしっかりチェックを

週休2日制と書かれているのに年間休日が100日以下、基本給が相場より低く「諸手当」などぼかした形で給与を増やしているなど、不審な労働条件はしっかりチェックしておきましょう。ブラック企業に就職しないようにするためには、最初から1社に絞るのではなくほかの企業の情報と比較しながら、条件面・待遇面の良し悪しを見極めることをおすすめします。

ブラック企業かどうか調査する方法はある?

ブラック企業かどうか調査するために、企業のホームページを確認してください。通常、企業のホームページには事業内容がしっかり記載されている傾向があります。内容が充実していない場合、ホームページの運営に手が回っていないほど忙しいか、社内がまとまっていない可能性が高いので注意しましょう。そして、インターネットが普及している現代で、ホームページが存在しない企業にも注意が必要です。情報を公開すると不都合があるのかもしれません。

また、離職率が高くキャリアを積んでいる社員がいないことを若手が活躍できる会社と表現していたり、大きすぎる目標を設定していたりする企業にも用心することをおすすめします。

口コミや会社の様子を調べる

企業の口コミサイトで評判をチェックしましょう。口コミサイトには、実際にその企業で働いた人の正直な意見が書かれています。入社しないと分からないような社内の雰囲気や働いている人の様子が分かるため、忘れずに確認してください。

また、実際に会社がある場所へ足を運んでみて、深夜や休日関係なく電気がついているかどうか見てみましょう。時間交代制の仕事でない場合、毎日のように遅くまで誰かが働いている企業はブラック企業の確率が上がってしまいます。実際に面接へ行った際に、社員の表情やオフィス内の整理整頓具合、面接官の態度から見抜くという方法もあります。

ブラック企業に就職してしまったときの対処法

入社してからブラック企業だと気付いた場合、同じような被害に遭っている社員と結託して証拠を集めてください。1人だけでブラック企業に対抗しようとしても、多勢に無勢で不利になってしまう恐れがあります。セクハラやパワハラは音声データやメールの記録を残しておいて、総務や幹部クラスの社員に相談します。

会社全体がブラック企業の場合は、社外の労働組合や労働基準監督署へ報告しましょう。企業が行っていることの違法性が認められると、必要に応じて警告を出してもらえます。ただ、労働基準監督署に相談したことが発覚すると、社内での立場はより危ういものになるかもしれません。内部告発した人物だとばれてしまうと標的にされやすくなることが予想されるので、最終手段にしておいてください。

転職するという手段もある

ブラック企業の問題は、自分の力だけで解決するのは難しいかもしれません。そこで、自分で環境を変えるために転職するという方法もあるのです。忙しい日々で転職まで頭が回らないでしょうが、ずっとブラック企業に居続けると体も心も壊れてしまいます。やめさせてもらえない場合でも会社の規約に則って、毅然とした態度で退職願を出しましょう。自分で電話するのが怖いという方は、退職代行を利用することをおすすめします。そして、転職する際には口コミサイトをチェックしたり転職エージェントを利用したりして、入念に調査したうえで次に就職する会社を選んでください。

まとめ

ブラック企業の特徴や見抜き方、対処法について紹介しました。極端に長い労働時間や休みを与えてもらえない、給与が低いなど、ブラック企業の特徴はたくさんあります。就職する時は事前に企業のホームページや口コミサイト、転職サイトなどを活用してきちんと情報を集め、ブラック企業かどうか見極めてください。そして、万が一ブラック企業に就職した際には、無理せず転職して別の建築設計会社を探すという方法もあります。自分を守ることを第一に考えて、ブラック企業から距離をとりましょう。

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