建築設計業の年収・給料はどのくらい?

公開日:2020/04/15  

建築士など、建築設計に携わる人が活躍できる場所は、建築・建設業だけではありません。官公庁や研究機関など建築業界以外からも、建築に関する知識を有している人材として注目されています。活躍できる場は多くあり、今後もさらに広まっていくものと考えられます。社会の多方面に活かすことができる技術なので、それが給料に反映することがあります。

いろいろな建築士の職場について

建物の商業規模が大きくなってきていることから、新しい設備は高度で複雑化してきました。建築設計業といえば、その主な就職先はゼネコンや建築設計事務所、さらには住宅メーカーなどが代表的です。建築物の機能性は多様化して、さらに個性も求められるようになってきています。そのため、建築に精通する建築のプロへの期待が、ますます高まってきました。また、従来の就職先に加えて、民間検査機関や住宅機器設備メーカーなど建築士を必要とする職場が増えています。

そこで建築のプロのノウハウを活かす仕事が広がりを見せつつあります。例えば不動産業界では、自社で設計した建売住宅や、リフォームなどの事業展開に建築士など建築に精通した人材が求められています。分譲住宅の仲介などを専門とする会社では、不動産の調査や鑑定に建築士を加えるケースが増えてきました。

また、ディベロッパーと呼ばれる土地開発をおこなう企業では、都市計画として土地と建築物を総合的にとらえて、幅広く対応できる人材を求めています。その際、建築士など建築の専門家の視点が注目されているのです。この他、建築関連の教育機関や大学や研究所などの研究機関、大手企業や官公庁の営繕部門でも、数多くの建築士が活躍しています。

ところで、地球の温暖化防止に対する意識の高まりから環境保全は大きなビジネスチャンスとなっています。また、健康を意識した商品の開発や、人に優しい空間づくりなどは、もはやどの業界でも欠かすことができない大きなコンセプトとなりました。つまり、建築とは一見無縁に見える職場においても、住に密着した知識を持つ人材が求められるようになったのです。

デパートやフード業界などの建築業界以外の企業でも、自社で営繕部門を持っているところが多く、そこで多くの建築士などが活躍しています。地球温暖化対策の新ビジネスで、環境改善企画などの職務に建築士を募集するといった動きがあります。このように建築士の仕事は、その知識と技術を社会の多方面で生かしていくことが可能です。当然ですが、それが給料や年収に反映されることが多くなってきています。

一般的な建築関連の職場について紹介

建築士の職場は多方面に及んでいるため、一言で表すのはとても難しいです。しかし、建築関連会社といった建築設計業で働く建築士はやはり多い傾向にあります。建築設計業の代表的職場といえば設計事務所です。

ここでは主に建物の設計や、現場の工事監理を専門としています。工事監理とは、工事を設計図書と照らし合わせて、それが設計図書通りに実施されているか否かを確認することです。設計事務所では建築士の有資格者は多く、その規模や仕事の方向性は事務所によってさまざまです。

ホテルやデパートのような商業施設から、学校や市庁舎などの公共施設といった大きな建物を取り扱う設計事務所の場合、規模が大きく専門の設計部署などが設けられています。大きな案件を取り扱っているため、チームでプロジェクトを遂行するなど、案件規模に応じて建築関連の他のスタッフも揃うことがあります。

また、建物の積算や各種申請などを専門にしたり、部分的なアウトソーシングをおこなっていたりする設計事務所も存在します。さらに、個人で経営する設計事務所の場合、一般住宅や小さな店舗などを建築士1人で担当するケースも少なくありません。

ところで、建築士の主な就職先としてゼネコンが挙げられます。ゼネコンとは、工事の元請けとして、工事全体の取りまとめをおこなう総合建設業のことです。ゼネコンでは予算の大きな物件を取り扱うことができるため、建築学科の大学生にも人気がある就職先です。ゼネコンでは勤める建築士の多くが、主に工事監理・工事指導監督や現場管理の仕事を担当します。専任技術者を必要とする職場であるため、建築関連の資格を有することが重視される傾向です。

そのため、ゼネコンの各企業では資格取得のための支援制度が整っているという特徴があります。住宅を商品として企画して販売施工する住宅メーカー。設計事務所や工務店では各々の施主に対して設計をおこなうのに対して、住宅メーカーでは独自に住宅に求められる購入者のニーズを分析して、需要に見合う住宅を設計し販売施工します。

住宅メーカーでは、建築士の多くは住宅を設計し、製図を作成する製図課と、現場監督が主な仕事となる工事課に配属されることが多いです。営業部門に力を入れている住宅メーカーも多いため、建築士の資格を持つ営業マンもいて、建築の専門家として顧客にアドバイスする強みもあります。さらに、住宅開発には、生活スタイルや家事に関わる細やかな要素を取り込むため、多くの女性建築士が活躍しています。

気になる年収はどのくらいなのか

建築士など建築に関わる職種は、キャリアを積めば積むほど評価が上がる傾向です。評価が上がれば、それまで以上に仕事の幅が広がり、さらに経験を積み上げるチャンスがあります。また、地球温暖化防止など環境問題に関心が集まるなか、政府によって「住まいの骨組みを定期的にメンテナンスすることによって長く住み続けられる住まいづくり」が提唱されました。

つまり、これまでの作っては壊すといった住宅づくりを改めて、数世代にわたり家を受け継ぎ住み続けられる住宅づくりが推奨されています。これによって、建築市場では新築やリフォームが増えていく期待感が出てきました。それに伴って、建築士の需要も増えていくだろうといわれています。

ところで建築士は、その専門性の高い技術と知識を生かして、社会に貢献している職業です。そこで、気になるのが建築士の収入かもしれません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2008年)によれば、一級建築士の平均年収は約640万円となっています。労働が正当に収入に反映しているといえるでしょう。

企業に勤める建築士の場合、大企業の年収は500~1000万円と企業によって幅があります。また中小企業でも400~600万円となっていて、一般のサラリーマンよりも高い傾向にあります。建築士法改正を受けて、建築士の報酬が見直され、建物の大きさや難易度によって報酬料金が設定できるようになりました。建築士の技術料は、経験の積み重ねが評価につながる傾向にあるため、一般的に年齢とともに高く設定されがちです。

しかし、新しい報酬料金の設定によって、料金システムが分かりやすくなり、仕事の質に見合う報酬が得られるようになりました。つまり、技術があって実力が高い建築士ならば、たとえ若くても高収入が得られるのです。時代とともに、より高度で専門的になっていく技術や知識への対価が、それに見合った給料となることは、建築士のやる気を引き出し、責任感を高めることとなったのです。

 

建築士の就職先は建築設計業が多いです。しかし、建築士の仕事にはいろいろなタイプがあるため、建築設計業以外の業界で活躍することができます。また、この業界はキャリアを積めば積むほど評価が上がる傾向があり、経験を積むことでそれが収入に反映されることになります。一級建築士のような専門的な国家資格を取得すると、平均年収は一般サラリーマンより高くなる傾向です。さらに建築士の報酬が見直されたことで、仕事の質に見合った報酬が得られるようになってきています。

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