複数の転職エージェントに登録するメリット・デメリットとは?

公開日:2022/05/15   最終更新日:2024/01/24
複数の転職エージェント

転職活動をする際、転職エージェントを利用しようと思う方も多いと思います。転職エージェントは複数社の登録が可能であるため、複数利用することで求人情報量が増え、キャリアの選択肢が広がるでしょう。

しかし情報量が増えれば増えるほど悩んでしまい、エージェントを上手く活用できない場合もあります。そこで今回は、転職エージェントに登録するべき数や選び方、複数の転職エージェントのメリット・デメリット、失敗を減らすエージェントの選び方のコツなどを紹介します。

みんなは何社登録しているのか

最初に、ここで注力して見ていきたいのは、理想の転職活動をするために、何社の転職エージェントを利用したほうがよいのかという点です。実際に転職活動をしている人を対象に「何社の転職エージェントに登録しているか?」というアンケート調査をした結果があるため、いっしょに確認していきましょう。

約6割の人が2社以上に登録している

下記の調査結果によると、転職エージェントを利用している人のうち、半数以上が2社以上に登録していることがわかります。各エージェントには、それぞれ違った強みや特徴があり、1社だけの登録では、求人案件や情報に偏りがある場合があります。

そのため、2社以上に登録して、希望にあった求人を逃さないようにする必要があるのです。もちろん、複数のエージェントに登録しても、求人案件が重複している場合もあるため、単純に登録した数だけ多くの求人に出会えるとは限りません。

しかし、たくさんの転職エージェントに登録すればするほど、より多くの求人に出会える可能性が上がると考えておいてください。

[アンケート調査結果:登録数の割合]
1社のみ利用・・・全体の40%未満
2~3社利用・・・全体の55%
4社利用・・・全体の8%
5社以上利用・・・全体の2~5%

大手の強みと中小の強み

大手の転職エージェントと中小の転職エージェントには、それぞれ違った強みや特徴があります。一般的に、大手のエージェントは中小のエージェントに比べ、求人数が圧倒的に多い傾向にあるようです。

そのため、自分の希望に合った求人を見つけやすいといえるでしょう。中小の場合は求人数では大手には勝てませんが、登録者が少ないため、一人ひとりの要望をしっかりと聞き、丁寧なサポートを行ってくれることが多いようです。

大手エージェントと中小エージェントの両方に登録することにより、それぞれのよいとこ取りをするとよいでしょう。ただし、複数の転職エージェントとやり取りするのが面倒という場合は、自分に合ったエージェントが見つかり次第、1社に絞るという方法もよいかもしれません。

■4社以上登録して見極める

上記の調査結果からみると、2~3社の転職エージェントに登録しておけばよいように感じますが、まずは、4社以上登録することをおすすめします。複数のエージェントを利用していく中で、自分と相性のよいエージェントを見極めていく方法が最善といえます。

結果的に相性のよかった2~3社を利用することで、転職活動がスムーズに進むでしょう。

登録する転職エージェント2社の選び方

前述した通り、大手エージェントと中堅エージェントとでは持っている強みが違うため、まずは、それぞれ数社ずつ登録しておくとよいでしょう。その中から、自分と相性のよい大手1社と、中堅1社を併用することをおすすめします。

相性をどのように判断するかは、人によって違ってくるかもしれませんが、「求めている求人の種類が多い」や「担当コンサルタントに相談しやすい」などがあると思います。自分にとって利用しやすいかどうかを考えるとよいでしょう。

大手転職エージェントのメリット

大手転職エージェントに登録するメリットは、中堅エージェントとは比較にならない求人数の多さにあります。その中には非公開求人などもあり、登録していないと知ることのできない案件も多く存在します。

また、大手エージェントは、全国展開しているエージェントなので、多種多様な求人案件を取り扱っているところも魅力の1つです。大手ならではのシステム化されたサポート体制は利用しやすく、日々たくさんの求職者対応をしている経験値の高いコンサルタントは、的確で効率的なサポートを行ってくれることが多いようです。

中小規模の転職エージェントのメリット

中堅の転職エージェントに登録するメリットは、なんといっても手厚いサポートを受けられるところでしょう。登録者数が少ない分、一人の求職者に対してじっくりと時間を掛けてサポートしてくれます。

また、登録者が少ないということは、1つの求人に対してのライバルも少なく、スムーズに仕事が決まりやすいといったメリットもあります。中小規模の転職エージェントであっても、独自のルートで得た大手にはない求人を取り揃えている場合もあるうえ、経営者やコンサルタントが優秀であれば、大手とは違った視点のアドバイスをしてくれることもあるでしょう。

転職エージェントは複数利用してもよいの?

ここまで説明してきたように、まずは複数の転職エージェントに登録し、その中から、自分と相性のよい数社に絞っていくことが絶対的におすすめです。しかしながら、複数の転職エージェントを掛け持ちで利用することは、エージェント側に対して失礼にはあたらないのでしょうか?

この問題は、今から転職エージェントに複数登録しようと考えている方にとって気になる部分ではないでしょうか?ここでは、複数の転職エージェントに登録する際に気を付けるべきことなども確認していきたいと思います。

掛け持ちは失礼にあたらない

複数の転職エージェントを掛け持ちして利用することは、まったく失礼にはあたらないため安心してください。エージェント側も複数の求職者を掛け持ちでサポートしているわけですから、お互い様ともいえるでしょう。

また、上記でもご説明したとおり、2社以上の転職エージェントに登録している人の割合は全体の半数以上で、いたって普通のことです。むしろ、担当のコンサルタントには、他の転職エージェントにも登録していることを事前に伝えておいたほうがよいでしょう。

そうすることで、今後の転職活動の進め方やスケジュール管理がスムーズになります。ただし、1つの求人に対して、複数の転職エージェントから応募することはやめておきましょう。

混乱を招き、エージェント側にも企業側にも迷惑が掛かってしまいます。

担当者の仕事の質も大切

同じ転職エージェントの中でも、担当コンサルタントの仕事の質の高さにより、転職活動の結果が左右されることもあります。企業とのコネの強さや、登録者とのコミュニケーションなど、担当者の力量はさまざまです。

満足のいく転職にするためには、どのエージェントを選ぶかも大切ですが、どの担当者についてもらうかも重要になってきます。何人かのコンサルタントを比べて、相性の合うコンサルタントと転職活動していくことが理想的です。

複数の転職エージェントに登録するメリット・デメリット

転職エージェントは1社のみのイメージが強いですが、前述したように複数登録しても問題ありません。大手の転職エージェント2社であれば求人情報量が増え、専門特化したエージェントだと専門性の高いアドバイザーに出会える、専門的な求人を多く知るなど、利便性がたくさんあります。

しかしデメリットもあるので、頭に入れて複数登録するか判断しましょう。

複数の転職エージェントに登録するメリット

複数の転職エージェントに登録するメリットは、次のとおりです。

・非公開求人をたくさん知る

・相性のよいキャリアアドバイザーが見つかる

・自分に適したエージェントを見極める

複数のエージェントに登録すれば、多くの求人を見ることができます。自分の希望に合った求人を探したい、何がしたいか決まってないが、情報を多く知りたい方に向いています。

さらに非公開求人もたくさんチェックできるメリットがあります。転職エージェントはそれぞれで非公開求人を持っています。そのため複数登録しておくと、ネットでは公開されない非公開求人をたくさん知ることができるのです。

そのほかのメリットは、相性のよいキャリアアドバイザーに出会えることです。どのキャリアアドバイザーとも相性がよいとは限りません。

複数のエージェントだと、納得できるまで話を聞いてくれて求めるアドバイスをするアドバイザーに出会える可能性が高くなります。また自分にぴったりなエージェントを見つけるために、2社以上のエージェントを登録して判断するのもよいでしょう。

それぞれの特徴を見比べて、自分に向いているエージェントを利用することで、転職活動もスムーズに進めるでしょう。

複数の転職エージェントに登録するデメリット

複数の転職エージェントに登録するデメリットは次の通りです。

・情報量が多く確認に時間がかかる

・管理が大変

・同じ求人に応募する

複数のエージェントの利用は、情報量が増えますが、同時に迷いも生まれます。とくにキャリアの方向性が定まっていないと、自分がやりたいことが見つかりにくくなるかもしれません。

紹介される求人の数も多くなり、11社目を通すのも時間がかかってしまいます。さらに、面接やエージェントからの電話の回数も増えるため、スケジュール管理も大変になります。

働きながらの転職活動は時間が限られるので、有効に使いたいものです。スケジュール管理がおろそかになれば、紹介してもらった面接が受けられなくなったり、直近で面接のキャンセルをして、企業に悪い印象を与えたりすることになりかねないので気をつけましょう。

複数のエージェントの登録で最も気をつけたいのが、同一求人の応募です。企業だけでなく転職エージェントからの信用も失う可能性があります。

応募した会社名、日付を手帳などに記入して忘れないようにしましょう。

複数の転職エージェントに登録する際に注意するべきポイント

複数利用することは悪いことではありません。上手く使い分けると、自分の強みや企業の情報量が増えて転職活動が有利になります。

複数のエージェントを登録したときに気を付けたいポイントをご紹介します。

複数のエージェントを利用していることを隠さない

複数のエージェントを利用した場合は、双方に登録していることを伝えましょう。どの企業に応募しているか、どこまで選考に進んだかなど、エージェント側が把握していれば、面接日が重なったり、同じ求人を紹介したりすることがなくなります。

万が一のトラブルを防げるので、必ず伝えるようにしましょう。

自分の価値観を明確にする

たくさんの情報を手にした分だけ悩みます。さまざまなキャリアのアドバイスを受けるので、選択肢は一気に広がるでしょう。

しかし、自分の挑戦したいことが不明確になり、混乱が生じるかもしれません。自分の価値観を明確にしておくと、悩む時間も短くなります。

また、必要な情報と不要な情報を判断して、切り捨てることも必要です。

登録するエージェントは23社程度

登録する転職エージェントは23社程度にしましょう。多く登録してもスケジュール管理が大変となり、転職活動がしんどくなります。

キャリアアドバイザーの連絡も遅れてしまうと「転職に前向きでない」と判断され優先順位が低くなり、サポートをあまり受けられなくなります。最終的には1〜2社に絞って、自分の希望とする転職活動をしていきましょう。

適切なスケジュール管理で転職活動をする

余裕のあるスケジュール管理で転職活動をしましょう。複数のエージェントを利用することは、キャリアアドバイザーとの面談、連絡、求人応募の手続き、面接の日程など管理することが多くなります。

たくさんの情報が欲しいからと、スケジュールをいっぱいにすると面談日が重なったり、連絡が抜けたりするかもしれません。また、転職エージェントは転職に意欲的な人を優先的に、手厚くサポートする傾向にあります。

レスポンスが早ければ、よい案件を優先的に紹介します。手厚いサポートを受けるためにも、適切で負担の少ないスケジュール管理を行いましょう。

転職エージェント選びのコツ

たくさんある転職エージェントから、自分に合ったエージェントを見極めるのは難しいです。エージェント選びで失敗しないためのコツをご紹介します。

総合型2社、特化型1社の登録

転職エージェントは、総合型と特化型の2種類に分けられます。総合型は全国のさまざまな種類の案件を抱えており、支援実績も豊富で、転職に関するノウハウが多いです。

しかし、業種の専門知識は弱いこともあります。特化型は業種に特化した専門のエージェントで、その業種の知識・経験が豊富なアドバイザーが、情報提供や面接の対応をサポートします。

希望する転職の方向性が決まっている場合は、特化型に絞りエージェントを選んでもよいでしょう。視野を広げて探したい場合は総合型を2社程度、登録して情報収集を行います。

紹介できる案件数が多い

紹介できる案件数が多い方が、視野が広がり希望に沿った求人に出会えます。転職エージェントを選ぶときは、まず案件の数をチェックしましょう。

同時に、非公開案件がどのくらいあるかも確認します。

口コミや評判を確認

実際にエージェントを利用した人の口コミ・評判は、エージェント選びの参考になります。キャリアアドバイザーの雰囲気やサポート体制、紹介される求人の数など、気になるすべてを把握できます。

キャリア面談で比較する

キャリア面談では次のポイントを確認しましょう。

・じっくり話を聞いてくれる

・面談の内容に適した求人を紹介する

・企業、業界の知識が豊富

・転職へのデメリットの話もする

ヒアリング能力のあるキャリアアドバイザーは、時間をかけて話を聞きます。さらに転職希望者への視野を広げるアドバイスも行うのです。

キャリア面談を通して、相性のよいキャリアアドバイザーかどうか判断しましょう。希望条件と合わない案件ばかり紹介する、威圧的な態度をとる、転職の知識が少ないといったアドバイザーは上手くサポートしてもらえません。

少しでも疑問を感じるときは、アドバイザーを変更したり、エージェントを変えたりしましょう。

まとめ

今回は、転職エージェントの選び方と理想の登録数、複数の転職エージェントのメリット・デメリットなどについて説明してきました。複数の転職エージェントの登録は非公開案件をたくさん知り、キャリアの選択肢が広がります。

また、希望する条件とマッチした案件を見つける可能性も高くなります。しかしたくさんのエージェント登録はスケジュール管理が大変、情報量が増え整理に時間がかかります。

さらに同じ求人に応募してエージェントの信用を失うかもしれません。23社程度を登録し、余裕のあるスケジュール管理で転職活動を行うことが大切です。

転職エージェントをうまく活用して、満足のいく転職を実現してみてください。

 

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