建築設計業の特化型転職エージェントとは?

公開日:2020/08/15  

転職先を探すためのサポートサービスを受けようと思って転職エージェントについて調べてみると種類分けが行われています。総合型と呼ばれるエージェントサービスについてはよく理解できても、特化型の転職エージェントとは一体何なのかとわからずに悩んでしまう人もいます。特化とはどういう意味を持っているのでしょうか。

特化型の転職エージェントとは何か

特化型の転職エージェントとは一つあるいは狭い領域の業種や職種に限定して転職のサポートをしているサービスです。建築や設計に関わる業界の企業を対象として人材紹介サービスを実施していて、建築士や設計士などの専門スキルを持っている人を求めている企業と、転職先を探しているスキルのある人材をマッチングする役割を果たしています。

企業に対してはヒアリングをしたどんな人材が欲しいのかを聞き出し、その情報を求人として持ち帰っているのが基本です。求職者に対して求人の紹介をしたり、キャリアコンサルティングを実施したり、求人に応募するときに書類作成や面接対策などを補助したりしてくれる仕組みになっています。

その結果として求人に応募した求職者が企業に採用されるとエージェントとしてはクライアントの企業から任されたタスクをクリアしたことになり、成功報酬を受け取れるというのが基本的なビジネスモデルです。

このような基本構成については総合型と全く同じになっていて、違っているのはクライアントが限られた業種や職種になっているか、あらゆる業種や職種を対象としているかです。これがどのようなメリットとデメリットをもたらすのかを詳しく理解しておきましょう。

特化型を選ぶメリットとデメリット

特化型の転職エージェントを利用するメリットとデメリットは裏表の関係にあるので、求人情報の充実度、キャリアコンサルタントのレベル、応募するときのサポートの能力という三つの観点からどんなメリットとデメリットが生まれているのかを確認していきましょう。

まず、求人情報がいかに充実しているかという観点から重要になるのが企業とのパイプラインの太さです。特化型のエージェントの場合には建築設計業に特化しているので業界内の企業との太いパイプラインを持っているのがメリットです。普段から業界内の企業と連絡を取っているので人材が必要になったときにはすぐに求人をもらえる状況が生まれています。

また、数多くの人材を紹介するのに成功しているケースも多く、強い信頼関係を樹立していることも少なくありません。そのため、このような人材が欲しいのだけれど公開求人として出したくないからこっそり探してくれないかという相談を受けていることもしばしばあります。

一般的に非公開求人と呼ばれているもので、特に優秀な人材を高い待遇で獲得したいときによくおこなわれている人材紹介の受け方です。このような相談を経て紹介してもらえる求人も多いのはメリットでしょう。

一方、総合型のように幅広い業界を相手にして事業をおこなっているわけではないので、建築設計業以外に業界については専門性がなくてパイプラインも持っていないのがデメリットです。業界内で転職したいときには有用なサービスではあるものの、他の業界を目指したいときにはあまり有効ではないと考えましょう。

キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザーからコンサルティングを受けられるのはエージェントサービスの魅力ですが、そのレベルの高さはどうなのでしょうか。専門業界に特化しているお陰でキャリアコンサルタントは建築や設計に関わる知識や技術、キャリアや資格などに関する幅広い知識があるのがメリットです。

自分自身が建築士として働いてきた、設計士としてあのビルを手がけたことがある、業界で品質管理業務に当たっていたなどといった形で業界経験を持っているキャリアコンサルタントを揃えているエージェントが大半を占めています。

きちんと現場経験を積んでいるので専門的な話でも理解してもらいやすいメリットがあることに加え、キャリアパスを考えるときにも現場にいたからこそ思い当たるような道筋を提案してもらうことが可能です。

そして、企業とのパイプラインの場合と同様に、業界外の知識やスキルについてはあまり持っていないことから業界外への転職を希望するときにはあまりコンサルティングの質を期待できません。業界内のことに特化してしまっているため、あまり他の業界のことまで勉強をしていないケースが多いのです。

また、キャリアパスも業界外へ向かう道についてはあまり詳しくない場合がほとんどです。キャリアコンサルタントもプロなので何か提案をしてくれますが、業界内でのキャリアパスを相談しているときに比べると明確ではない、具体性がない、アピールするときの自信がなさそうに見えるなどといった問題が生じるでしょう。応募するときのサポートの能力という点でもキャリアコンサルタントのレベルと大きく影響します。

特化しているエージェントなら専門業界内の転職でのサポート力はかなり高いのがメリットになりますが、業界外への転職を考えているときにはあまり役に立たないサポートになってしまうこともあるのがデメリットです。

もう少しこの観点を詳しく見ていきましょう。業界内の転職でサポートの能力が高いのは知識や経験があるからだけでなく、企業のニーズを詳しく理解しているからです。応募をするときには履歴書や職務経歴書の書き方を教わることができ、書類選考を通過した後は面接でどんな内容を話すべきかについての相談ができます。

その際に書類に記載した内容や面接で答えた内容が企業のニーズを考慮したものになっていれば採用担当者もぜひ会ってみたい、採用を前向きに検討したいと考えるようになります。企業の状況だけでなく業界の動向も踏まえたサポートを受けられるので企業から高い評価を受けられる可能性が高くなるのがメリットです。

しかし、他の業界にも適用できるノウハウを持っているとは限らないので、やはり業界外への転職では書類作成や面接対策の内容があまり充実せず、企業のニーズに合った内容にできないこともあります。全くサポートを受けられないわけではないものの、本当に相談して意味があるのだろうかと疑問に感じてしまうこともあるでしょう。

特化型を選ぶときに重要なポイント

特化型の転職エージェントを選ぶときには上記の三つの観点からメリットを大きくできるようにするのがポイントです。十分に業界内の企業とパイプライン作りをしているか、キャリアコンサルタントのレベルを重視しているか、サポートを受けて転職に成功した人の実績があるかを比較しましょう。

 

特化型の転職エージェントは限られた業種や職種について転職のサポートをしているのが特徴です。業界内への転職ではさまざまな観点から有利な立場になれる可能性があるサービスですが、業界外への転職をしようとしているときには不足を感じる可能性があります。

専門業界に特化しているのが安易に優れていると言い切れるわけではないという点には注意しなければなりません。転職の方針を決めたうえで建築設計業に強い特化型の転職エージェントを使うべきかどうかを見極めるようにしましょう。

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