建築設計業の転職エージェントの成功率はわかる?

公開日:2020/06/15  

転職エージェントに登録して転職活動を進める人も多くなってきていますが、登録したら成功できるのかというのは疑問かと思います。成功できる可能性をできるだけ高くしたいと考えるのはもっともなことで、それぞれのエージェントでの転職の成功率を知りたいと思う人も多いでしょう。

エージェントを使って成功したかは判断が難しい

まず、エージェントから成功率についての具体的な数字は公表されていません。成功している人の割合が多いということをアピールすればエージェントとしても多くの登録者を集めやすくなり、企業からも人材紹介をして欲しいというオファーを受けられる可能性が高まるのは確かでしょう。それでもなぜ公表しないのかと疑問に思うのは当然のことです。

しかし、この指標を具体的に明示していないのには理由があります。そもそも成功とは何かを客観的に判断するのが難しいからです。単純に考えるのであればエージェントから求人の紹介を受けて応募し、書類選考や面接を受けて無事に内定を獲得することができ、きちんと入社できるのが成功と言えます。

ただ、これで本当に成功だったのかは実はわかりません。例えば、入社してから想定したような仕事ができなくて困ってしまうという事例もあります。給与が交渉時点よりも下がってしまったり、勤務条件が変更されてしまったり、前噂で聞かされていたよりもずっと残業が多くて辛くなったりしてしまうこともないわけではありません。

さらに上司との関係や同僚との付き合いがうまくいかないなどのトラブルが生じることもあります。試用期間が定められていることが多く、その期間が満了した時点でやはり辞めてもらうと通達されてしまうケースも決してないわけではないのです。

このような状況に陥ってしまうと転職したのが成功だったとは考えられないでしょう。そのため、必ずしも内定を獲得できた、入社を達成したというのが成功と断言することはできないのです。

また、転職した先でしっかりとした活躍をすることができ、待遇も期待以上のものになっているケースもあるでしょう。それならきっと成功だったと言って良いのではないかと思うかもしれません。

しかし、最終的には納得できる働き方ができるようになったのは確かでも、採用されるまでのプロセスは苦痛だったという場合もあります。結果は良かったとしても希望していたように短期間で転職できなかったので成功ではないと考えることもできます。

さらに別のケースとして選んだ転職先が長期的に見て良いものではなかったとかなり後になってから気づくケースもないわけではありません。エージェントによるキャリアコンサルティングを受けてこの道に進むのが良いと思って転職し、その瞬間は成功したと感じたとしましょう。

しかし、その会社の業績が低迷してしまって習得しようとしていたスキルを身につけられずに他の仕事を任されてしまうことになる場合もあります。結果としてキャリア構築をすることができず、次のステップに進めないということになってしまうこともあるのです。この事例のように転職直後は成功したと思っても、長い目で見ると失敗したという結論になる場合もあるのです。

このようにして考えてみると成功を定義するのはエージェントにとってはかなり難しいことがわかります。そのため、成功率という指標を計算するのが困難なので公表もできないという状況ができているのです。

顧客満足度については公表されているのが一般的

転職エージェントではそれでも魅力的なエージェントだと世の中の人に理解してもらえるために指標を公開しているのが一般的です。成功率ではなく顧客満足度という指標を用いている場合が多くなっています。

これは転職を遂げた人や登録している人を対象にしてアンケート調査をすることによりサービスについてどのくらい満足できたかを数字で評価してもらうことで得ている指標です。特に転職を終えた人からのアンケート調査結果になっていれば、少なくともその時点でどのくらい満足できたかを示す数字になります。この数字が成功率に近い値を示していると解釈するのは合理的な叶え方です。

ただ、今まさにサポートを受けている人や途中で諦めてしまった人の満足度が反映されていないことには注意しなければなりません。また、長期的に見ると失敗だったというケースも含まれていないということにも留意して顧客満足度を見てみることも重要になります。

成功するために重要な四つのポイント

成功率については情報を得るのが難しいですが、成功するために努力できるポイントはあります。代表的な四つのポイントを紹介します。

一つ目に挙げられるのは成功とは何かを明確にしておくことです。成功したかどうかは自分で判断するものなので、何が満たされれば成功なのかをはっきりとさせておきましょう。そうすることで成功するためにはエージェントからどんなサービスを受ければ良いのかも明確になります。

二つ目は明確にした成功基準に基づいて適切なエージェントを選んで登録することです。エージェントによってどんな点に力を入れてサポートをしているか、どんな企業とのつながりがあるかといった点には大きな違いがあります。成功基準を満たすためにはどのエージェントが適切なのかを比較検討して登録すれば成功できる可能性が高まるでしょう。

三つ目はエージェントに対して自分の強みをはっきりと分かり易くアピールすることです。やりたい仕事に本気で取り組める職場に移りたい、高い待遇で働けるようになりたいというときには特に重要なポイントになります。エージェントが理解してくれないと紹介してもらえる求人も的を射たものにならないので成功する確率が下がってしまいがちです。

四つ目は希望する条件を具体的に提示することです。漠然と給料が高い方が良い、仕事が楽しいのが良いといった伝え方をしてもエージェントはどんな求人を紹介したら良いのかがわかりません。年収は少なくともいくら以上、担当する業務はこのようなものといった形で具体的に条件を伝えることで希望に合った職場に転職できる可能性が高まります。

 

登録先の転職エージェントをどこにするかによって成功率が上下するのは確かですが、どのエージェントならどのくらいの人が成功するかについての具体的な数字は公表されていません。

成功とは何かを定義するのがそもそも難しいからで、数字を示しているエージェントでも顧客満足度という形になっているのが一般的です。顧客満足度を参考にして登録先を選ぶのも良い方法ですが、成功のポイントも押さえておくことが重要でしょう。

成功とは何かを自分なりに決めておき、その基準を満たすためのサービスがあるエージェントを選ぶのが大切です。そしてエージェントに対して強みや希望条件を具体的に伝えれば成功できる可能性は高くなります。

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