建築設計業の転職エージェントは無料でサポートしてくれる?
建築設計業で転職するとき優秀なキャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントに対応してもらえるエージェントを利用可能ですが、費用がかかるなら諦めて自分の力で転職活動を進めようという人も多いでしょう。サポートを受けるためにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
一般的には無料でサポートを受けられる
建築設計業の転職のときに利用できるかどうかにかかわらず、実は一般的な傾向として転職エージェントのサポートは無料で受けられる仕組みになっています。各エージェントのホームページや宣伝広告のためのランディングページなどにアクセスしてみると「まずは無料でキャリアコンサルタントに相談」などと記載されているでしょう。
登録するのには料金がかからなくても、メニューがあって費用がかかるサポートサービスが実は多いのではないかと懸念するかもしれません。確かに利益を得やすいビジネスモデルを考えるならサポートサービスを従量制にしておき、利用する都度、登録者がお金を支払う形にすればかなり大きな収入を生み出せる可能性があります。
例えば、キャリアコンサルティングを受けると30分2000円、求人を紹介してもらうと一件あたり1000円、履歴書の添削をしてもらうと1通あたり5000円などといった形で料金設定をすることは可能です。転職に成功したら雇用契約で決まった年収の20%を支払ってもらうなどといった成功報酬型の仕組みにすることもできるでしょう。
このような形で転職をしたいという利用者から従量制や成功報酬型でお金を取ることができるのは事実ですが、一般的にはエージェントが転職志望者にお金を請求することはありません。キャリアコンサルティングを希望しても、求人を紹介してもらっても、書類や面接の添削や対策を依頼しても、どのサポートを利用したとしても無料なのです。
キャリアカウンセリングを電話で受けたいというときには、メールで日時を決めておくことができ、キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザーから電話をかけてもらえます。自分で電話をかけて電話代を払う必要すらないのです。
あえて言えば対面でコンサルティングや面接対策をしてもらうためにエージェントのオフィスに訪問するときには交通費を負担することになるでしょう。応募書類などは自分で作る必要があるので履歴書などの購入費用はかかりますが、エージェントサービスを利用したことによって生じる追加費用ではありません。
また、エージェントによっては成果報酬でお金を請求するどころか、転職お祝い金として転職に成功したときに支援金を出してくれることすらあります。数万円から二十万円くらいまでの幅があり、どんな形で転職に成功したか、利用したエージェントがどこかによって違いはあります。このような形で手厚いサポートを受けたうえに金銭的な支援までしてもらえることすらあるのはエージェントを利用する魅力でしょう。
無料でサポートを受けられるのはなぜか
なぜお金がかからないのかというのが疑問になる人も多いでしょう。冷静になって考えてみると手厚いサポートをするために膨大な人件費がかかっているのは確かです。登録した直後に受けるヒアリングも一時間くらいかかることが多く、その後に求人を探して紹介するのにもかなりの時間を費やしています。
細かいことを言えば電話代や電気代などもかかっているので、事業としてエージェントサービスを提供して転職志望者のサポートをしていくためには何らかの形で利益を得られるビジネスモデルにしなければなりません。
極めて単純なのは転職志望者から従量制や成功報酬型で料金を徴収する方法ですが、このビジネスモデルが一般的になっていないのには理由があります。エージェントはもともと企業から依頼を受けて人材紹介をしている会社なのです。会社としてこのような人材を探しているのだけれど、候補になるような人はいないかという形で相談を受けています。
エージェントとしてはその期待に応えられるような人材を探し出して紹介するのが重要になり、信頼できる会社だと認めてもらえればずっと依頼を受けられるでしょう。転職志望者に対してはできるだけハードルを下げて登録してもらえるようにする必要があります。いろいろな角度からサポートを受けられるのに完全に費用がかからないという形にして、気軽に登録してもらえるようにしているのです。
そのための人件費などを工面するのに必要な資金がどこから工面されているのかも気になるでしょう。人材紹介会社として企業向けのサービスを提供しているため、依頼を受けて適切な人材を紹介できたときには報酬を受け取れるようになっています。
人材を採用する企業に対して成功報酬型のシステムでサービスを提供することにより、利益を得られるビジネスモデルを成立させているのです。裏を返せば企業の期待に応えられるような人材を必死に探さなければ利益を得られないことになります。
そのため、転職志望者が登録するハードルを徹底的に下げるだけでなく、サポート内容の独自性を追求したり、紹介できる求人の幅を広げつつ数も増やしたりして登録先としての魅力を高める努力が続けられているのが実態です。
また、転職に成功してもらわなければ利益が得られないという問題もあるため、スキルアップや資格の取得などのオファーもかけることが多くなっているのです。建築設計業では特に資格の有無が転職先の候補を大きく左右することから強く推奨するケースも多くなっています。
有料のエージェントもないわけではない
一般的に転職エージェントは無料で利用できるようになっていますが、全てのエージェントについて費用がかからないというわけではありません。中には有料サービスを盛り込んでいるところもあるので気をつけましょう。会員としていろいろなサービスを受けられる状況を継続するためには会費を払わなければならないというのが典型的なシステムです。
無料会員とプレミアム会員といった分け方になっているのが典型的で、実質的にはプレミアム会員にならないとほとんどサポートを受けられないようになっているのが通例です。このようなシステムのエージェントもお金がかかっている分だけ責任を持って対応してくれるメリットもあります。
手厚くて幅広いサポートを受けられるサービスとなるとかなり費用がかかるだろうと思われがちなのが転職エージェントですが、一般的には費用が一切かからない仕組みになっています。
どんなサポートを受けても無料なのは、エージェントがもともと人材紹介会社として企業からの依頼を受けて適材を紹介するのをメインの事業にしているからです。企業の期待に応えるためには多くの転職志望者に登録してもらう必要があるため、ハードルを下げる目的で費用負担がないようにしています。
企業に人材を紹介して採用が決まると報酬をもらえる仕組みになっているので、エージェントも人件費などをまかなうことができています。ただし、無料で利用できるのはあくまで一般的な話であって、有料のエージェントもあるので登録するときには詳細を調べてから決断するのが大切です。