建築設計業の転職エージェントで有利な資格はある?

公開日:2020/08/01  

転職エージェントを活用して建築設計業の仕事に転職したいと考えたとき、今のままでは実力不足ではないかと感じたり、もっと高い待遇を得られるようにするにはどうしたら良いかと悩んだりすることもあるでしょう。資格を取得するのが良い方法として知られています。エージェントを利用するときに有利になる資格を紹介していきます。

建築士としての国家資格は役に立つ

建築設計業に詳しい転職エージェントでも、それほど詳しくないエージェントであっても建築士としての国家資格を持っていれば高い評価をしてくれるのが一般的で、どの求人に応募するときにも有利になります。

二級建築士、一級建築士、木造建築士が代表的なものとして知られていて、どれを保持しているかによって転職先の候補も変わります。例えば、小さな木造専門の工務店に転職したいという場合には木造建築士以上であれば問題はありません。実務的な考え方では木造建築士であれば十分で、一級建築士でなければならないような建物の設計や建築を請け負わないからです。

ただ、マーケティングの目的で、一級建築士が対応しますという文言で宣伝をすると一般受けが良いことから一級建築士を優遇するということはあります。人件費が高くなることを考慮して本当にコストパフォーマンスが高いと判断されたときにだけこのような優遇がおこなわれるのが一般的な傾向です。

二級建築士であればかなり幅広い建築設計系の企業から喜んで受け入れてもらえるようになります。一級建築士になると大型ビルや高層マンション、ショッピングセンターなどを手がけている建設会社も候補に入れられるようになります。

さらに有利になりたいという場合には構造設計一級建築士、または設備設計一級建築士になるのが良い方法です。一級建築士の上位に当たる構造設計のプロ、設備設計のプロとして認められるのがこの二つです。

このくらいになるとなかなか人材がいないので大手の建設会社などから重宝される人材になれます。エージェントとしてもあまり希望者に出会えることがないため、今までなかなか良い人を紹介できずに悩んでいた企業からの求人をオファーしてくれるでしょう。

また、建築士として3年以上働いてきた人なら管理建築士になっておくのも良い方法でしょう。管理建築士になることで事務所を運営する立場になることができるため、大手会社などで新しい事務所を作るときに責任者に抜擢してもらえる可能性があります。いつかは自分の事務所を開きたいと考えている人にとってもプラスになるので、転職を機会にして取得を目指しておくと良いでしょう。

他の建築士系の国家試験は全て受験のための条件を満たさなければ受けることができません。学歴と現場経験年数によって主に決まる仕組みになっているため、自分の学歴と職歴を振り返って試験を受けられるかを確認してみましょう。

デザイン系の資格もプラスの評価

建築士として建物の構造や設備の設計をするのは建築設計業で重要な役割になりますが、それだけでは顧客が満足してくれるサービスを提供できるわけではありません。実際に建てられたビルやマンション、一戸建て住宅などを利用する立場になってみると、インテリアやエクステリアが美しく、快適に仕上がっていなければならないと思うでしょう。

その観点からデザイン系の資格を持っている人も転職エージェントに相談したときに有利に扱ってもらえるのが一般的です。インテリアコーディネーターはハウスメーカーや工務店を中心として重宝されているのが現状です。

快適で住みやすい空間を作り出すデザイナーと言えるのがインテリアコーディネーターで、注文住宅を建てるときに顧客にアイデアを出したり、実際に導入する家具や小物などを提案したりするのが仕事になります。建売住宅を建てるときにも美しくかつ住みやすいようにするための設計をおこなう要として活躍することが可能です。

オフィス空間でも快適さが求められるようになってきていることから、企業向けのオフィス移転やオフィスレイアウトを手がける企業でもインテリアコーディネーターが重視されています。このように幅広いニーズがあることからインテリアコーディネーターは空間デザインに興味がある人にとって魅力的な候補でしょう。

インテリアデザインに強くなりたいというときにはリビングスタイリストになるというのも候補の一つです。インテリアコーディネーターが設計をする性質があるのに対して、リビングスタイリストは注文住宅を建てる人がインテリアを考えるときに提案をしたり、悩みに答えたりするのが特徴です。建築設計業で顧客対応をメインにしてインテリアを手がけていきたい人にとって魅力が大きいでしょう。

居住用の建物ではキッチンも重要な要素としてよく知られていますが、そのデザインの専門家としてキッチンスペシャリストも有用な候補です。キッチンスペシャリストはキッチンのデザインのプロで、図面を引いてどんなキッチンにするかを設計して提案するのが仕事になります。

人間工学に基づいて効率的に使えるようにしつつ、顧客の希望を叶えられるようなデザインに仕上げるのにはやりがいがあるでしょう。工務店やハウスメーカーだけでなく、マンションを手がける建設会社からも求人がしばしばあります。デザイン系ではこの他にもいろいろなものがあるので、自分が専門的に関わっていきたいものを探してみるのが大切です。どれを選んだとしても転職エージェントからは高く評価してもらえる可能性が十分にあります。

語学系や不動産系の資格も有利になる

建築や設計などに直接関わらないものであっても転職エージェントを使うときに有利になる資格は他にもあります。代表的なのが語学系と不動産系のものです。英語の力があるのは建築設計業でも樹脂されていることがよくあり、TOEICなどのスコアが高い、英検が1級、英語コミュニケーション能力認定試験を合格しているなどといった場合には、その力を活かせる職場を提案してもらえます。

外資系企業や海外での建設を手がけている会社では英語だけでなく、アジア圏の言語に強い人も重宝しているので、語学系のスキルを高めて資格を取っておくのは転職の準備として優れています。不動産系では宅地建物取引士になるのが効果的なもので、総合不動産コンサルティング系の会社から重要な人物として認めてもらえる可能性が高まるでしょう。

総合コンサルティングの場合には建物を建築する力があるだけでなく、その建物を建てる場所からコーディネートする形を整えています。その土地の仲介を担える人材として考えられるので高い評価を得られるのです。

 

建築設計業で転職エージェントを利用して転職するときにはいろいろな資格が役に立ちます。典型的なのは一級建築士などの建築士系のもので、管理建築士も視野に入れておくと良いでしょう。デザイン系ではインテリアコーディネーターを代表としてさまざまな候補があります。

それ以外にも語学力があるとわかる資格や、宅地建物取引士のように不動産の仲介業務をおこなえる資格も重宝されています。やりたい仕事が何かに合わせて適切なものを取得するようにしましょう。

おすすめ関連記事

検索

READ MORE

電気通信工事施工管理技士になるには、実務経験が必須ですが、実務経験がなくても資格を取得する方法が存在します。本記事では、実務経験の有無に関わらず資格を取得するための詳細な情報を提供します。受

続きを読む

建設・土木業界における長年の悩みである3K(きつい、汚い、危険)から脱却し、新たな働き方新3K(給料がよい、休暇が取れる、希望が持てる)を実現すべく、国土交通省を中心に業界全体で取り組みが進

続きを読む

建築プロジェクトや製造業において、施工管理とCADオペレーターは重要な役割を果たしていますが、その違いを理解することは業界において不可欠です。施工管理者とCADオペレーターは異なるスキルと責

続きを読む

建築業界にはさまざまなプロフェッショナルが存在しますが、なかでも建築デザイナーと建築士は混同されがちです。同じ建築業界で携わっているとはいえ、異なるポイントがあります。この記事では、両者の違

続きを読む

店舗デザイナーとは、物販や飲食店などのデザインを手がける専門家です。外観から内装、家具やファブリックまで総合的に設計し、魅力的な空間を創り出します。この記事では、店舗デザイナーの仕事内容、や

続きを読む

一級建築士の資格を持つ建築士が転職先を模索するなかで、注目すべきポイントやおすすめの転職先について解説します。建築業界の変化や需要の動向、転職の際に重要なポイントを押さえながら、一級建築士の

続きを読む

建設業界における施工管理の労働環境にはさまざまな課題が潜んでいます。労働基準法改正による労働時間の上限設定や、国土交通省のICT化推進による改善策がある一方で、ブラックな環境も少なくありませ

続きを読む

異業種から建築設計への転職は大きな挑戦です。この記事では成功への道筋や重要なポイントを解説します。基礎知識、関連スキルの獲得から始まり、柔軟なアプローチや業界内ネットワーキングの重要性まで紹

続きを読む

建築設計のアルバイトは、アトリエや組織設計事務所でさまざまな実務業務に携わります。模型製作やCADを使用しての図面修正、デザイン作業など、業界における重要なタスクに従事し、設計スキルを向上さ

続きを読む

近年、建築設計業界は、テクノロジーの進化と共に、働き方に大きな変革を迎えています。特にコロナ禍をきっかけに、リモートワークの導入が加速し、業界全体の働き方に影響を与えています。この記事では、

続きを読む