建築施工管理の仕事内容と年収は?

公開日:2020/11/15  


建築施工管理技士は、建設現場でなくてはならない現場監督を務める人物です。工事全体の監督をするだけでなく、発注した依頼主や設計者などと綿密に打合せ、実にたくさんの仕事をこなす必要があります。責任があり大変な面もある分、大きなやりがいある仕事といえますが、建築施工管理技士の仕事内容や年収について解説します。

建築施工管理技士の仕事内容とは

建築施工管理の仕事というと、工事現場全体をまとめる大きな仕事というイメージがあります。ただ具体的には、どんな仕事なのかよく理解できていない人のほうが大半でしょう。その名のとおり施工管理の仕事を担う立場ですが、その内容は大きく4つの項目にわかれ「4大管理」と呼ばれています。それでは4大管理についてそれぞれ解説していきましょう。

まずは「工程管理」です。工程管理は、工事が納期どおりに完了できるようスケジュールを監督する仕事です。工事にとって工期は絶対厳守のものであり、守るために工事全体をどう進めるべきか、各作業のスケジュールを細かく把握し、間違いのない日程調整が必要となります。工事にはたくさんの作業があり、それぞれに携わる職人がいますので、全員が無駄なく効率的に作業できることが理想です。現場に合わせて臨機応変に、問題なく作業が進むよう工程表を作成し、その通りに進むよう管理する仕事です。

次に「原価管理」です。原価管理は、決められた予算内ですべての工事を終わらせることを指します。資材の発注も職人の手配もすべて管理者の仕事ですから、予実に差が生じないようしっかり管理していきます。企業である以上、確かな仕事をしつつ利益を確保することは非常に重要です。万が一原価が予算オーバーすれば会社の収益が減りますので、原価管理は非常に重要な業務です。

そして「品質管理」です。建造物は発注者が求める品質だけでなく、自治体などが定める品質基準にも沿う必要があります。デザインや強度、寸法や材質などが設計図どおりかを常にチェックし、依頼の品質を満たすかどうか、評価対象項目ごとの品質試験によって確認しながら進めていきます。各作業で写真などを記録し、施工記録を残すことも重要な仕事です。

そして重要なのが「安全管理」です。安全は建設現場で作業する人だけでなく、周囲も含めてしっかり守れる環境を整えなければなりません。たとえば現場には手すりや消火設備などの設置が義務づけられていますが、そうした設備の安全点検を実施し、作業前後や作業中に声がけなどを行いしっかり管理する業務です。工事では高所作業もありますし、取り扱う機器や素材にも危険なものもたくさんあります。開始前から完成まで、何ひとつ問題なく安全を徹底することが、管理者の大きな責任といえます。

この4大管理は工事全体を成功させるために、すべてなくてはならない重要な管理項目です。作業員の安全を確保し、無事に予定どおり工事を終えることが、プロフェッショナルの仕事です。具体的には、設計図の確認と工事内容の把握、専門工事業者との打ち合わせや工程管理が仕事内容となります。何より多くの職人と建築士との連携が必須となりますので、コミュニケーションスキルを磨く必要があるでしょう。

建築施工管理技士になるための道と年収

施工管理という業務そのものは、資格がなくてもできる仕事ではあります。ただし、施工管理者として誰からも認められる存在になるためには、技術を証明できる建築施工管理技士の資格を取得することをおすすめします。この資格には1級と2級とがありますが、いずれも国家資格ですので簡単な試験ではありません。いずれも未経験から工事現場で実務経験を積むことで、受験資格を得られるようになっています。

1級建築施工管理技士は全建設工事の施工管理を可能とする資格で、全部で16種類ある専門工事すべてを管理する高度な知識を持つ技術者であることを証明します。

2級になると管理可能な建設工事が少なくなり、比較的小規模な工事を管理することが可能な資格です。こうした資格は年収にも影響を与えるため、無資格者も含めた施工管理で一括りにすると、平均年収は約440万円となります。ただ、高いレベルになると年収600万円という層もありますので、一概にいえません。

一番多いのは300万円から500万円の層ですが、ここでも200万円の幅がありますので差は大きいといえるでしょう。やはり上位資格を持っている人のほうが難しい現場も任せられますから、平均年収は高くなります。混同されやすいのが現場監督なのですが、現場監督は工事現場で作業員の指示や工事の進捗など、現場の管理だけを行うのが仕事です。また施工管理技士などの国家資格はなく、現場監督は基本的に無資格です。

建築施工管理技士のやりがいや魅力

建築施工管理技士として働く人々は、どのようなやりがいや魅力を感じているのでしょうか。まず、安定した需要があることへの安心感は大きな魅力です。建造物は新規だけでなく建て替え需要などもあるため、人の生活と共になくならない仕事といえます。簡単に衰退する業界ではなく、安定性が非常に高いのはメリットです。

また、責任ある業務であることから、比較的給与も高くなりやすい傾向があります。資格や現場の難しさなどにもよりますが、簡単な仕事ではない分、相応の評価があることが大きなやりがいです。成果報酬が発生する現場もあり、自分が納めた仕事を強く実感できることも魅力です。建造物は長く世に残るため、個人住宅も含め、地球上に自分たちの作品を残せることは誇りとなるでしょう。たくさんの人の笑顔を生み出せる仕事といえます。

また、立場としてあらゆる専門家と信頼関係を築く必要があり、職人達と常にコミュニケーションを取れる環境を作ることも大きなやりがいとなります。一人でできる仕事ではありませんので、常に現場の声に耳を傾け、作業を見ることで信頼を得ることが大切です。

施工管理の仕事の向くといわれる人は、やはりコミュニケーション能力があり、リーダーシップを発揮できる人です。立場的に現場の作業員だけでなく発注元とも打ち合わせを重ねる必要があり、板挟みになるシチュエーションもあるためコミュニケーション能力は必要不可欠です。

リーダーシップは単に命令するだけの力ではありませんので、現場を指揮しつつ、トップとしてついてきてもらえる資質や判断力が必要です。仲間を守るための危機管理能力、工期を守る計画性、さまざまな資質があってはじめて一人前の施工管理者になれるといえるでしょう。

ただし、これらの資質があってもどうしても難しくなるのが、体力がない人の場合です。施工管理の仕事はとても忙しく、現場に入っている間は仕事量も膨大なため、それをすべてこなせる体力は必須です。複数の工事現場を掛け持ちする管理者は、進捗のチェック、職人との打ち合わせ、デスクワークなどを早朝から夜遅くまで勤め上げることが少なくありません。毎日気力も体力を使うため、そこはあらかじめ認識が必要です。

 

建築施工管理技士には、「4大管理」といわれる重要な管理業務があります。これらすべてが、間違いのない工事を完結するのに必須の業務であり、担うべき施工管理者の責任ともいえます。施工管理業務自体は無資格でも行えますが、どこでも通用するレベルの高いプロフェッショナルになるためには、国家資格である建築施工管理技士の取得が必要です。上位資格を有するほど年収も高くなりますので、キャリアアップのため、ぜひ、取得を目指しましょう。

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