転職エージェントとハローワークでどう違う?建築設計業の転職エージェントの仕組み

公開日:2021/03/01   最終更新日:2024/04/18


憧れの建設設計業でのお仕事を探すにはどうすればよいでしょうか。いろいろな方法がありますが、そのうちの一つは転職エージェントを利用することです。

ハローワークでも、建設設計業の求人探しができます。この二つにはそれぞれのメリットとデメリットがあります。

ここでは、建設設計業の転職エージェントの仕組みなどについても紹介していきます。

建築設計業の世界でキャリアアップをする方法とは

建築設計業界は日本国内の多くの業種とは異なり、人材の流動性が高い業界です。建築士の資格を取得した直後は小規模な設計事務所や建設会社に就職して、簡単な業務を任されることが多いとされています。

ある程度経験を積んで慣れてきたら、ワンランク上の会社に転職をして設計の技術を磨くこともあるでしょう。転職を何度か繰り返すことで建築士としてのキャリアを積み、自分の設計事務所を持ったり大手ゼネコンやデベロッパーなどで大きな仕事を任されたりするようになるケースもあるようです。

建築設計業界で技術を磨いて自分がやりたい仕事をするためには、キャリアアップのための転職活動を行うことがおすすめです。

転職先を探すときはどこで探すか

転職はうまくいけばいいですが、そうでないとストレスになります。自己都合で転職する時はそれなりの理由があるはずですが、どのように探すかは前もって考えておく必要があります。

ほとんどの人が転職サイトを利用しますが、それでいいのでしょうか。転職サイト以外にハローワークを利用する人もいます。

失業保険の申請に行ったときに利用する場合もあります。しかし、今ハローワークは混んでおり、条件のいい仕事はすぐになくなってしまうのです。

また、コロナ禍で人と接するのもストレスになります。転職サイトもいいですが、自分の希望する職種や会社を探すのは一苦労です。

履歴書を作成して送信して、面接まで到達するまでも簡単ではありません。実はそれ以外にも転職を行う方法があるのです。

それが転職エージェントを利用することです。ハローワークや転職サイトと違って、担当の人が代行して企業との交渉や面接の段取りなどいろいろ支援してくれます。

そのため、最初に自分の希望をしっかり伝えておけば、仕事をしながら転職活動を行えるのです。

建設業は忙しいので働きながら探すのが大変

建設業は人の流動が少ないといわれますが、その理由は忙しさにあるのかもしれません。そのため、働きながら転職先を探すのは至難の業です。

自信がある人は退職した後から探し始めるかもしれませんが、それにはリスクが伴います。自己都合で退社した場合、失業保険は三ケ月後からの支給になるからです。

独身で家族を養う責任がないのであれば、大きな問題はないかもしれませんが、そうでないならのんびりしているわけにはいきません。ハローワークに毎日通うのは大変です。

多くの求職者を見ると失業の大変さが身に染みてきます。建築設計業では地方への出張もよくあります。そうなるとなおさら時間がありませんから探すのが大変になります。それでも、キャリアアップしたいとか、条件のいい職場に転職したいという希望があるならば転職エージェントを利用するのが無難な方法だといえるでしょう。

今のご時世に退職してから職を探すのはリスクが高すぎます。堅実なのは働きながら転職活動をすることなのです。

それであれば、不必要なストレスを抱え込まずに済みます。

転職エージェントとハローワークの求人の違い

建築設計業は専門職になりますが、ハローワークにも求人があることでしょう。転職エージェントは転職に特化しており、独自のパイプを持っていることが多いです。

そのため、転職サイトやハローワークにはないレアな求人を持っている場合もあるのです。人材を探している会社も1人二2人だけのために転職サイトに求人を出したり、ハローワークに募集を出すことはありません。

しかし、もし知り合いの転職エージェントにこんな人材がいたら紹介してと伝えていたらどうでしょうか。転職は突然現れた求職者とのマッチングされた時に成功となるのです。

転職エージェントが抱えている求人数は限られていますが、非公開の求人を抱えているというのは覚えておきたい点です。また、ハローワークは事務的に仕事を紹介するだけですが、転職エージェントは丁寧なヒアリングをして、細かなアドバイスをしてくれるので可能性を広げることもできます。

履歴書や職務経歴書の書き方やコツも教えてくれるので安心して転職活動ができるのです。

転職エージェントの仕組み

建築設計の仕事でキャリアアップするためには、自分の技術や経験を伸ばせる職場に転職する必要があります。転職エージェントのサービスを利用すれば、転職活動をサポートしてもらえ、利用者に合うと判断された求人を紹介してもらえるようです。

ここでは、転職エージェントの仕組みについて紹介します。

転職エージェントのサービス内容とは

転職エージェントは、あらかじめ建設会社やゼネコンなどから会社が求める人材についての情報を得ているので、本人の能力や希望を考慮しつつ求人紹介します。具体的なサービス内容ですが、最初に転職を希望する動機や希望を聞き、これまでの職務経験(実績)を調べます。

利用者に合う求人を見つけて、履歴書・職務経歴書作成のサポートや面接・入社試験に備えた準備などをサポートしているのです。面接のために模擬面接が行われ、入社のための対策をして万全な状態で転職希望先の会社に応募します。

応募先の会社への転職が成功するとサポートサービスは終了となり、転職活動をサポートしたエージェントには就職先となる会社から報酬が支払われるという仕組みです。

転職エージェントの立場と役割とは

転職エージェントの主な業務は、キャリアアップを希望する利用者に求人を紹介したり、転職活動をサポートしたりすることです。サービス内容だけを見ると、転職を希望する本人と一緒に就職活動を行うように感じられるかもしれません。

しかし、求人を出している会社の立場から見ると、会社が希望する人材を転職エージェントに紹介してもらうことになります。これに加えて紹介料を負担するのは人材を求めている会社側であり、転職活動をする本人ではありません。

そのため、エージェントの本当のクライアント(顧客)は人材を求めている会社となるのです。転職を希望する本人をサポートして就職活動を助けてくれますが、サポート業務を開始する段階で、既に会社側が求めている人物像にマッチしそうな人を選択しています。

転職エージェントはクライアントである会社の立場で人材探しをしているので、エージェントにサポートサービスを依頼する段階で転職先の会社の“プレ面接”を受けているようなものです。建築士の仕事でキャリアアップをする目的で就職活動のサポートを受ける方は、自分はエージェントの真の顧客ではないということを認識しておきましょう。

転職エージェントを利用する場合は費用がかかるのか

建築設計業の転職を考えた場合に、転職エージェントの利用が一つの選択肢になりましたが、料金はどうなるのでしょうか。担当者が付いて転職の支援をしてくれるというので費用が心配になるかもしれません。

転職エージェントには無料と有料の両方があります。同じ会社でもサービスの差で無料にしている所と有料にしている所があります。

それで、建設設計業に強いエージェントを探しながら、まずは無料の転職エージェントで相談できるのです。もし、無料で満足できなかったらそれから有料サービスを利用してもいいでしょう。

もちろん、無料サービスだからといって問題があるわけではありません。求職者が転職に成功した場合に、求人企業が転職エージェントに報酬を支払うからです。

報酬金額は転職者の年収の30%~35%前後が一般的だといわれています。たとえば建設会社が年収400万円で建築士を紹介してもらって雇用契約が成立した場合には、会社側から紹介料として支払われる報酬は140万円となります。

このように人材を求めていた会社側が報酬を全額負担する仕組みなので、利用者は費用の負担をする必要がありません。ですから、無料の転職エージェントも一生懸命サポートしてくれるので心配をする必要はありません。

そのため、入社試験のためのサポートサービスを受けた本人は、これまで受けたサービス料や紹介料などの費用などを支払う必要はありません。まずは、無料相談からスタートしてから、エージェントの様子を見ながら転職先を探すことができるといえます。

エージェントの助けを借りながら転職するまでの流れ

まずはエージェントのサイトで個人情報を入力していきますが、転職の時期や働きたい地域、職種や年収など入力し送信します。エージェントはその入力された情報をもとに転職希望者にあった仕事を探します。

早ければ2.3日、長くても一週間くらいで仕事の紹介の連絡が来るのです。その後、建設関係に詳しい担当者と最初の面談をすることになります。

ヒアリングをしっかり行ってもらうことで、客観的に求人を見ることができるようになります。自分ではいいと思っても実はそうではないことがあるのです。

エージェントのいい点は、今後のキャリアの設計もサポートできます。それから、厳選した求人を紹介してくれるので、その求人情報をもとに面接の対策をしていきます。

転職アドバイザーが推薦から給与交渉まで一通りのことを代行してくれるので安心です。退社に必要な手続きもアドバイスも含めてすべてをサポートしますので、スムーズに新しい会社に移行できます。

最初の入力以外はさほど労力は掛からず、安心して転職できるのです。

転職エージェントを利用するメリット

建築設計業の転職エージェントを利用することには、再就職のサポートを受ける人と人材を求めている建設会社の双方にとってメリットがあります。人材を求めている会社は、自社で必要とする能力や実績を持つ人を紹介してもらえます

求めている人物像や建築設計のスキルの水準などの条件を伝えておけば、会社が必要とする人材を見つけてもらえるからです。もしも人材紹介のサービスを利用しない場合は、求人情報を見て応募した人の中から選ばなければなりません。

転職エージェントのサービスを活用することで、会社側が求めている人材を探すことが可能になります。再就職を希望する側の立場の人であれば、比較的短期間で再就職先を紹介してもらえ、選考に通過するために必要なサポートを無料で受けられるというメリットがあります。

自力で求人を探して応募しても、会社が求めている人物像に合っていないと入社できません。これに対して、転職エージェントは会社が求めている条件に合う人を紹介するので、通常の方法で応募するよりも高い確率で入社できるでしょう。

また転職エージェントのサポートを受ける場合は、活動を開始してから入社までに要する期間は2~4ヶ月間が多いようです。この理由は、新たな人材を求めている会社が求人情報を発表するのが、入社日から約3~4ヶ月ほど前であるケースが多いからでしょう。

なるべく早く建築設計業の転職を行いたい方にとっても転職エージェントの利用は最適であると考えられます。

転職の目的を考える

人生百年時代といわれ、70歳まで働くのが当たり前になりつつあります。終身雇用もほぼ終わり、一つの会社で一生働き続けることは皆無になりました。

そのような中で長い人生で2度3度の転職は当然のことになっています。転職というとマイナスのイメージを持つ人がいますが、今はキャリアアップに必要なことになっているのです。

もちろん、キャリアアップだけが転職の目的ではありません。家族のためにもっと時間を取りたいという人もいますし、プライベートの時間を大切にしたいという人も増えています。

残業が多い職場から、残業が少ないホワイトの企業に転職したい人もいることでしょう。転職の目的がはっきりしているならその方がいいのはいうまでもありません。

そして、その理由は人それぞれあっていいわけです。人は働かなければ生きていくことはできません。

ですから、自分に合った仕事を見つけることができたなら、それは幸せなことだといえます。転職エージェントは、そんなお手伝いをしてくれる人たちだと思えばいいのです。

 

建築設計業で転職するのは簡単ではありませんが、エージェントの力を借りるならスムーズに行うことができます。建築設計業は専門職であり、求人サイトやハローワークに出てこない非公開求人もあります。

そのため、エージェントを活用して自分に合った仕事を見つけることで、自分の目的を達成できるのです。

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