転職するなら知人からの紹介と転職エージェントどちらがよい?

公開日:2021/11/15  


転職活動の方法で、もっとも気軽で簡単に行えるものといえば「知人からの紹介」があるでしょう。知人に頼む方が転職エージェントを利用するよりも手間がかからないだろうし、気が楽だと思います。しかし、結果的に満足できる転職が叶うのはどちらなのか?知人経由と転職エージェント経由、双方のメリット・デメリットを比較してみましょう。

知人経由入社のメリット

まず知人経由で入社する場合のメリットについて見ていきましょう。

■採用率が高い

一般的に、知人経由の入社は採用率が高い傾向があります。知人を通して就職活動をすることは、いわゆる「コネ入社」になりますが、いくら知人の頼みでも能力のない人を企業に紹介することはないはずです。

つまり、知人が転職を希望する人の能力を理解しており、おすすめできる人材だということで企業に紹介してくれるのがコネ入社です。知人がその企業に対してどれだけの信用力があるのか、それにより採用率に差がつくかもしれませんが、コネではない一般的な転職活動よりも採用率が高いことは間違いないでしょう。

■人材募集を行っていない会社でもチャンスがある

希望する会社では今のところ人材を募集していない、そういった場合でも知人経由ならアプローチすることが可能、自分を売り込んで入社できるかもしれません。表向きは募集をしていなくても、実は人材が欲しいという会社もあるものです。

知人経由入社のデメリット

次に、知人経由で入社する場合のデメリットについて見ていきましょう。

■知人の立場を考えて行動する必要がある

コネで入社することは、仲介した知人に「恥をかかせない」ことが必要になります。仕事に対する姿勢がいい加減だったり、遅刻や急な欠勤などを繰り返したりするなどの行ためは、本人の評価が下がるだけでなく、紹介した知人の信用も失くしてしまう可能性があります。

また、入社したけれど合わないと感じて再び転職したくなっても、知人の立場を考えると転職しにくくなるということは、覚悟しておかなければなりません。つまり、コネ入社は知人に大きな借りを作ることになり、入社後に息苦しさを感じることがあるかもしれません。

■入社後の周囲の視線が気になる

コネで入社した人は、一般的な手続きで入社した人から見れば決して面白いはずがありません。社内でも冷ややかな目で見られ、コネ入社以外で入社した人と常に比較されることもあるでしょう。スキルが充分できちんと仕事をこなし、周囲に迷惑をかけることもなければ問題ありませんが、そうでなければ「使えないやつ」と煙たがられる可能性があります。普通に仕事ができるのは当たり前、きちんと認めてもらうには相当頑張る必要があるでしょう。

■給与など条件交渉が難しい

コネで入社するわけですから、提示された給与や配属先に不満があっても、堂々と交渉するのは難しいでしょう。また、会社を紹介してくれた知人の意向が反映されることもあり、提示された条件を飲めないのであれば、今回の件はなかったことにしても構わない、そんな雰囲気になるかもしれません。

転職エージェント経由入社のメリット

知人経由以外の一般的な転職活動の手段もいろいろありますが、今おすすめなのは転職エージェントの利用です。その転職エージェント経由で入社する場合の、メリットについて見ていきましょう。

■交渉力・営業力・コネクションを活用できる

個人で転職活動を行う場合、どんなに能力はあっても売り込みが下手なら採用されにくくなってしまいます。転職エージェントを利用すれば、能力を高く企業に売り込むことができるうえ、給与や配属先なども適正な条件を引き出してくれるでしょう。

また、転職エージェントには強力なルートもあるので、それを使えば書類審査も通りやすく、通った後の面接でも1回目から役員面接が行われることも期待できます。希望する会社には個人的なツテがないので、働きたいけれどアプローチできない、そのような場合でも転職エージェントなら可能です。

■複数の転職活動を並行して行うことができる

転職エージェントは同時に複数登録することが可能で、こうすることにより効率よく転職活動を行うことができます。限られた時間内でも多くの企業にアプローチでき、個人で転職活動を行うよりも、より条件のよい企業を見つけることが可能になります。また、転職エージェントではさまざまなサポートが受けられるため、面接に集中できよい結果を出すことにもつながるでしょう。

■人間関係のしがらみがない

転職エージェントはビジネスで求人紹介を行っているので、知人経由で入社した時のようなしがらみは一切ありません。紹介されても気が乗らない企業や、提示された条件に対してお断りすることに遠慮はいりません。

転職エージェント経由入社のデメリット

転職エージェント経由で入社するデメリットについて見ていきましょう。

■転職エージェントの能力によって結果がわかれる

すべての転職エージェントの能力が高いわけではなく、登録しても思うような結果に結びつかなかったということもあるようです。転職を希望する人の能力を、高く企業に売り込むことが転職エージェントの腕の見せ所ですが、頼りにならないダメなエージェントなら、どんなに優秀な人材でも書類選考で落とされてしまうこともあります。

その点、優秀な転職エージェントなら、能力にプラスして強力なルートもあるので、書類選考はパスしてすぐに役員クラスの面接に進む、ということもあります。そのため、転職エージェントを選ぶ際は能力の高いエージェントを選ぶべき。そのためには最初から1社に絞るのではなく複数のエージェントに登録し、信頼できるエージェントに絞り込んでサポート受けるようにしましょう。

■希望とは違う案件を紹介されることがある

自分の希望に見合った案件を紹介してくれるのが転職エージェントですが、中には希望と一致しない案件ばかりを紹介するエージェントも存在するようです。その理由は、抱えている企業案件を消化するためなのですが、このような転職エージェントは選ばない、登録するのは避けたほうがいいでしょう。

■人間関係のしがらみがないからこそのデメリット

人間関係にしがらみがあると、納得できないのに断りにくかったり、交渉しづらくなったりするというデメリットがありますが、しがらみがないからこそ生じるデメリットもあります。転職希望者と転職エージェントは、転職活動において両者の利害関係が一致していることで成り立っている関係です。転職希望者は希望する会社に好条件で転職したい、一方で転職エージェントは転職させることで企業から紹介料を得るという目的があります。

もし登録した転職希望者の能力やスキルが他の人よりも劣っていた場合、採用される見込みがないと転職エージェント側が判断することもあります。より成功に近い人材を選び、見込みがないと判断されたら「放置」される可能性もあるということです。登録してまったく企業を紹介されないということはないのですが、1件紹介して書類審査で通らなかった場合、その後は新しい案件を紹介されないケースもあります。

書類審査に通らず、落ちた連絡があればまだよいのですが、中には落ちたことも連絡せず放置する転職エージェントもあるようなので注意が必要です。おそらく人間関係のしがらみがあれば、このようなことは起こらないと思いますが、もちろん信頼できる転職エージェントなら放置することはないでしょう。やはり、転職エージェントは信頼できる優秀なエージェントを選ぶべきです。

 

転職活動は知人経由なら入社するまでがスムーズに運ぶかもしれませんが、給与や配属先に妥協しなければならなかったり、入社後にコネ入社ならではの苦労をしたりするかもしれません。転職エージェントの利用でもデメリットはありますが、信頼できる優秀なエージェントを選ぶことでデメリットはなくなり、問題なく転職活動が行えるはずです。希望する企業に納得できる条件で転職、これを叶えるなら転職エージェントの利用がおすすめです。

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